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ファナティック・フレンド  作者: 七賀ごふん
気になるひと

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22/29

#3



グレーのスーツを着た長身の男性。准はその人物を見て息を飲んだ。


「あ……。涼、あの人。俺が言ってた人は」

「うっそ、なんてタイミング。俺隠れてますね!」


アクション映画のようなノリで出てきた割に、涼はすぐに車の後ろへ回って隠れた。さすがに顔を合わせるつもりはなかったようだ。

気を引き締めるつもりでネクタイを締め直す。そして右手からやってくる青年に挨拶した。


「おはようございます、加東さん」

「あぁ、准君。おはよう」


青年は、眠そうな目と声で返した。動作も緩慢な彼こそ、准が今現在気になっている相手。

営業部に務める六つ歳上の上司、加東大陽だ。

「あれ。准君、何かちょっと顔色悪くない?」

「え?」

加東は前のめりになり、心配そうに准の顔を覗き込んだ。一気に距離が縮まる。どんなに親しい相手でもここまで顔を近付けることは少ない為、思わず後ずさった。しかし不審に思われるわけにもいかないので、極力無表情を保つ。

「何かあった? 俺で良かったら聴くよ。ちょうど今日は何も予定ないから」

「えっ、でも」

「うん、決まり。今日は残業しないでよ、准君? じゃ、また後でね」

ポンポンと話を進め、彼は手を振って行ってしまった。これは……果たして、喜んでいいんだろうか。あまりにマイペースで掴みどころがない。

でも、そこが良い。あの掴み所のない性格が好きだ。

気づけば少し手汗が滲んでる。彼と話す前にどれだけ緊張していたかよく分かった。


「准さん、おめでとうございます! これで処女は喪失ですね。薬は買っておきますのでご安心ください。あ、俺早く銀行行ってお金おろさなきゃ」


何を言ってんのか分からない(というより分かりたくない)が、涼は拍手しながら准の後ろに現れた。

「ふふ、准さんデートのお誘いなんてやるじゃないですかぁ」

「デートじゃない。相談に乗ってもらうだけ」

だから素直には喜べず、車のキーでドアをロックした。

「諦めないでください、二人になればこっちのもんですよ。ウブなふりして相手を油断させて……くくっ、ふふふふ……」

「お前ヤることしか考えてないんだか。何か逆に哀れに思えてきたよ」

「まぁまぁ、俺が一からデートのコツを教えて差し上げますよ! なんで一緒に頑張りましょう!」

そう涼は意気込んでいるが、准は不安でしょうがなかった。来たばかりだけど早くも帰りたい。

大体の温度差が違う。ため息を飲み込んで天井を見上げた。


デートねぇ……。





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