表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ファナティック・フレンド  作者: 七賀ごふん
これからも

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

129/130

#4



霊園を出て出発した頃には、空はすっかり夜の闇に染まっていた。宿泊先のホテルへ向かい、寛いで食事をとる。つけっぱなしのテレビを横目に、准と涼は窓際でこれからの人生プランについて話し合った。


「准さん、あの部屋ペットOKでしたね。俺、犬を飼いたいです。毛がもふもふしてるタイプ。シーズーとかヨークシャーテリアとか!」

「いやいや、猫だろ。犬なら百歩譲ってハスキー。大体あんな毛虫みたいなの、毛を巻き散らかして大変じゃん」

「そんな酷くありませんよ、昔飼ってましたから。もこもこしてもふもふしてる犬は正義です」

「分かった分かった。でも要検討な」

「お願いしますね。俺も、猫も検討しておきますんで」


巻き起こる口論とは真逆に、二人は密着していた。恋人としての距離。成哉は、自身の頭を准の肩に乗せた。

「引っ越して、新しい仕事を覚えて。お互い、また忙しくなりそうですね」

「そうだな。今ぐらいだな、こんなのんびりしてられんのは」

だけどこの時間は、もう誰にも奪われたくない。

守り続けていこう。准は成哉の頭を撫で、窓の外を眺めた。

真っ暗な夜空が広がる。その先には、小さくも存在感を放っている光。


……あぁ。

駄目だ。

また、思い出してしまった。


「准さん?」

「成哉。星、見に行こうか」


准は窓の外を見つめたままだ。そんな彼に、成哉は瞬きを繰り返していたが……やがて、徐に立ち上がった。


「見に行こう。約束しただろ? あ、公園で飲んでた時にしたやつじゃなくて。十五年前に、この地で交わした約束の方を」

「准さん……」


握った掌に、また強く力が込められる。

「ありがとうございます。でもすいません。俺そっちはあんまり覚えてません」

「正直で何より。まぁ俺がスッキリしないから、行くぞ」

「えぇっ、今からですか!?」

准は立ち上がって上着を羽織る。目の前で驚いてる彼を無理やり立たせて、車のキーをとった。

「うん、今でなきゃ駄目だ。だって本当はもっと早く」

十五年なんて時を待たず。


「……お前に会いたかったんだから」


空で光るあれを、今見たい。


一秒だって待てない。もっと早くに会って、約束を果たしたかったから。

彼の手を引いて、とにかく走る。


逸る気持ちを抑えられない。早く、早く。時間を蹴って、外へ飛び出した。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ