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ファナティック・フレンド  作者: 七賀ごふん
10+8+2=青年

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104/130

#11



何一つ不自由ない、順風満帆な生活を送っている。父と母を亡くす前と何ら変わらない、むしろ贅沢過ぎる毎日。そんな毎日に涼は慣れてきていた。


もう“物”は要らないぐらい……。

創は実家の援助もあって裕福だ。しかしいつまでもそれに頼るつもりはなかった。早く自立して、世話になった分を返していきたい。


「成哉。星見に行かない?」


ある日の夜、星が綺麗に見えると定評のある海沿いへドライブに行った。海自体は暗すぎて全く分からない。ずっと先にある灯台の光と潮の匂いだけが、かろうじて海の近くである事を教えてくれた。


「やっぱり星って良いですよね。……そうだ創さん! 俺、准さんにお会いしたいです。それで一緒に、昔みたいに星を見たいな」

「そうだな。いつか見に行こう」


創は、涼の提案に微笑むだけだった。

「……?」

違和感を感じた。それはいつだったか……思い出せないが、確かに以前も感じたものだった。

彼は昔も“いつか”と口にした。けど東京へ来た今なら、すぐにだって会いに行けるのに。


だから何となく。……本当に何となくだが、涼はこの違和感の正体に気付いた。恐らく創は、自分と准を会わせたくないのだと。


でも創さんが嫌なら、無理して行かなくてもいい……のか?


もしかしたら、今創さんは准さんと仲良くないのかもしれない。けど自分の一番は創さんだ。彼がいたからここまでやってこれた。大事な人だ。彼の為なら何でもできる。

それだけが涼の誇りで、励みで、生き甲斐ですらあった。

しかし、時が経つにつれ、そんな想いは音を立てて崩れていく。


「また、やたらと准に近付く男がいてさ。すごく邪魔なんだ」


完璧な創の、唯一の異常性。それは従兄弟の准に対する、狂おしいほどの愛情だった。いつからか創は、会話の九割は准の話しかしなくなった。同性愛者であることも、彼に対する好意も打ち明ける気はないらしい。


創は男でも女でも関係なく、准に近付く人間を嫌う。准に好意を持ってる人間に、わざと彼の印象が悪くなるような話を吹き込む。そうして自然と、みんな准から離れていく。


今までずっとそうしてきたと聞かされた時はさすがに戦慄した。

狂ってる。

狂うほどに准のことを好いている。


創は徹底して准の人間関係を管理、把握し、狭めている。東京に移ってもう二年が経とうとしてるのに、涼は准と会ったことは一度もなかった。




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