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ファナティック・フレンド  作者: 七賀ごふん
10+8+2=青年

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103/130

#10



「そう……でしょうか」

「うん。絶対そう。俺が保証する」


何の根拠からか。可笑しくてつい笑ってしまった。創も一緒に笑っていたが、やがて徐ろに立ち上がった。

「成哉君、今高三でしょ? 進路は決めたの?」

「あ、それがまだ……でも就職しようと思ってます。今も叔母さん家にお世話になってるから、早く一人暮らししたいんです。優しいから気を遣わせちゃってるのが、逆に申し訳なくて」

「そう……」

奨学金を借りて進学することも考えたが、バイトで稼げる額は限界がある。それよりは住み込みでも何でもして、生活の基盤を整えたい。

未来のビジョンなんてまだ明確には見えてないが、願望のような希望を話した。すると彼は少し考え込んでから、目の前に屈んだ。


「成哉君、さ。……もし嫌じゃなかったら、俺と住まない?」

「え?」


一瞬、聞き間違いかと思った。だから数回瞬きを繰り返すと、彼は慌てた様子で手を振り、目を逸らす。

「いやっ、迷惑だったらいいんだ。もし他に住む場所決めてるなら絶対そっちの方が良いし。俺と、っていうとやっぱ地元を離れてこっちに来なきゃいけないしさ!」

創は最初こそ強く否定していたが、段々と弱々しい声で呟いた。


「ただ……力になりたくて」

「……」


辛くない。……と言えば嘘になる一年だった。

だからその一言に救われたのは、紛れもない事実。独りになった自分に、こうして寄り添ってくれた彼に。


「……ありがとうございます」


気付けば受け入れていた。彼についていきたいと強く思った。これから先、何があっても、彼の味方でいよう。彼を信じよう、と。


さっき見た睡蓮の絵が脳裏に浮かぶ。

睡蓮の花言葉は、確か……“清純な心”と、“信頼”。


翌年、涼は親戚と話し合った結果、慣れ親しんだ故郷を離れ東京へ移った。就職先も東京で見つけ、創との同居が始まる。


お金は心配しなくていいから進学しないかと言われたこともある。でもそれはさすがに断った。初めのうちは生活費も全部負担してもらっていたから、早く収入を得て彼に返していきたくて。

少しずつだが落ち着いて、安定した生活を遅れるようになっていった。後から分かったことは、彼は几帳面なわりに金遣いが荒い。買ったばかりのテレビも、新しい型が出たらすぐ買い換えてしまうような人だった。常に最新のものに取り替える。まるでなにかに急かされてるみたいに。


加えて欲しいと言わなくても、日常生活に必要な物から趣味の物まで買ってくれる。特に驚いたのは車だ。彼は運転しない分、よくドライバー代わりに買い物等に連れ出された。




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