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スーパーロボットあるある100小説  作者: 牧亜弓
電光巨人 ブルーサンダー
30/50

燃え上がる意志、雷鳴轟く復活!!


セリア将軍の命が闇に消えた、その刹那だった。


空を引き裂くような閃光が、闘技場を照らした。

地を踏みしめるような振動が轟き、闘技場の中心に立つ蒼き機体――ブルーサンダーが突如、眩い蒼光を放ち始めたのだ。


レイジは操縦席の中で、呼吸を止めていた。目を閉じれば、まだ彼女の最期の声が耳に残る。


「未来は……君たちの手に……」


言葉の最後まで、彼女は希望を信じていた。

涙がこぼれそうになるのを、レイジは拳を握ることで押しとどめた。


「セリア……」


唇をかみ、血がにじむ。それでも彼の眼は、迷わなかった。

その魂は、いま確かに覚醒の瞬間を迎えていた。


「お前の死は……絶対に無駄にはしない!」


轟くような叫びが、コクピットから空へと突き抜けた。


「この闘技場を……いや、世界を!お前が守ろうとした未来を……必ず、俺たちが受け継ぐ!」


その瞬間、ブルーサンダーのコアが共鳴し、全身を覆う装甲が一層の光を放つ。

機体の外殻が音を立てて変化し、蒼き雷のエネルギーが奔流のように噴き出していく。


「レイジ、出力が……限界突破だ。こんなの、見たことないぞ!」


副操縦席のヒロトが驚きの声を上げる。冷静な彼ですら、データに目を疑っていた。


「構うもんか!今ここで決める!」


コクピットの中でレイジは、レバーを力強く押し込んだ。


「出すぞ――雷鳴斬ッ!!」


空が割れた。


雷鳴と共に振り下ろされる剣――

それは、もはや兵器の一撃ではなく、想いと怒りを纏った“魂”そのものだった。


巨大な蒼雷の刃が、黒炎の鋼龍――ダークフェニックスに直撃した。

爆音と共に空間が歪み、蒼い雷光が空へと迸る。闘技場全体が揺れ、観客席の石材が崩れ落ちるほどの衝撃が走る。


「う、わあああああっ!!」


観衆たちは悲鳴を上げながらも、その壮絶な一撃から目を離せなかった。


黒き鋼鉄獣は後方へ大きく吹き飛ばされ、巨体が闘技場の外壁に叩きつけられた。

そして、その鋼の鎧が軋むような呻きを上げながら、ゆっくりと崩れ落ちた。


しばし、沈黙。


蒼き雷が地を駆けるように、静かに残響を残していた。


しかし――


「……フフフ……」


その静寂を破ったのは、ジャスドス大帝の冷笑だった。


「見事な一撃だ、レイジよ。さすがは、ネクロマントス帝国を一人で滅ぼした男……だが……」


その声には、まるで敗北を楽しんでいるかのような余裕が滲んでいた。


「貴様らは知らぬ……我が鋼鉄王国が誇る、真の終焉を……!」


彼は、玉座の背後にある巨大な装置に手をかざした。

重厚な音が地中深くから響き始め、闘技場の奥――鉄と石で封じられた地底の蓋が、ゆっくりと開いていく。


「嫌な音がするな……」ヒロトが低くつぶやいた。


「何を……!?」


レイジが息を呑んだその時だった。


地の底から、圧倒的な重圧をまとった巨大な影が、音もなく姿を現す。


「さあ見せてやろう。我が切り札……最終兵器・鋼鉄巨人ダークゴルドンを!!」


地鳴りと共に姿を現したそれは、まさに「鉄の山脈」と形容するに相応しい。

闘技場の天井にまで届くその巨体、全身を覆う黒金の鋼、赤く輝く複眼、そして無数の砲門がその肩に備えられていた。


「な、なんてものを……!」


ヒロトが驚愕の表情を浮かべる。


「エネルギー反応……常識外れだ。あれ、一体何を動力源にしてるんだ……!? 戦艦十隻分の出力だぞ!」


レイジは無言で、それを見据える。


その背後に、セリアの微笑みがあるような気がした。

彼女の意志が、今も胸の中に生きている。


レイジはゆっくりとコクピットの奥に手を伸ばした。そこには――セリアがかつて送ってくれた、古びた勲章がある。


「ここで終わらせる。俺たちの手で、未来を取り戻すんだ」


彼の言葉に、ヒロトが静かにうなずいた。


「ああ。セリアの想いと共に、戦おう。レイジ、お前となら行ける――最後までな」


雷鳴が再び走った。


最終決戦の幕が、静かに――だが確実に――上がろうとしていた。



スーパーロボットあるある


その121:仲間の死で覚醒。

その122:必殺技は雷鳴がセット。

その123:ラスボスはさらにでかいロボ。

その124:絶対絶命で必殺技炸裂。

その125:決戦は静かに始まる。


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