ヒットメーカー(こんとらくと・きりんぐ)
地味なゆるキャラをつくった。なんとか流行らないものか。
わたしは広告マンに相談した。
「いくつか、キャッチコピーを用意しました。それで宣伝戦略ですが、こういうときは視覚が他の感覚に転移する方法を採用しましょう。つまり、あなたのゆるキャラを見ると、ふわふわ、さらさら、つやつやなどの好感触につながるよう、大衆に訴えるのです。それから——」
次にわたしは殺し屋に相談した。
「その人形をいくつかください。ぼくが連続猟奇殺人鬼に見せかけて、ターゲットを殺して、その上にその人形を置いていきます。来年には、あなたのゆるキャラをプリントしたTシャツが世界じゅうで見かけられるようになりますよ」