表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

12/43

第12話 あるじ殿の好きにして構わぬよ



 新たな仲間をゲットするべく、俺とメディの『ダンジョンさんぽ』は下層部にまで進んだ。


 ダンジョン探索だが、俺はダンジョンマスターだしメディはモンスターだし、敵なんか現れるわけがないし、トラップが発動することもない。


 だから本当に『さんぽ』だ。


「アルトさま、どんな仲間つくる?」

「そうだな。目当ては【白銀級】だな」


 メデューサのような【神話級】でもいいんだが、あまりに強すぎると人間の前に出たときに大きすぎる影響を及ぼしてしまうかもしれない。


 かといって弱すぎても退治されるかもしれないし。


下層(このへん)なら、そのくらいのモンスターが居るだろうからな」

「呼べばくる?」

「支配者である俺が呼べば来るだろうけどな。こうして散策して回るのも乙なモンだし――」


 下層部のこの一帯は、静かな森。

 ダンジョン内は、階層ごとに、そしてエリアごとにも違う景色が広がっている。


 地下なのにそよ風が吹き、木々の枝葉が音を立てる。そして昼間のはずなのに、わずかに見える夜空では霞がかった満月が明かりを灯していた。


 ――と。


「――――あるじ殿よ」


 謎の声とともに、突風。

 木々のあいだを何か巨大なものが縦横無尽に飛び回る。


 ガサガサガサっ――、と、樹木をなぎ倒しそうな勢いでその巨大な白い物体が、俺たちの周囲に降り立った。


 360度を、白い毛皮に囲まれる。

 目の前には、やはり巨大な獣の顔。


「お前は……【千年妖狐(せんねんようこ)】か」

「いかにも」


 ゆったりとした口調。女性の声だ。その大きな白い狐は、口も開かず、脳内に直接語りかけてくる。


「あるじ殿よ。身近に仕える従僕(じゅうぼく)を探しておるのかえ?」


 フワフワの尻尾が、俺とメディを包み込む。


「くすぐったい! アルトさま、わんわん!」

「ワンワンじゃなくて狐だな」


 モンスターの一種、妖狐。

 純白の毛並みに強大な魔力。巨躯を活かした戦闘も得意だが、人間を惑わす幻惑系の魔法にも長けた【白銀級】の強者(つわもの)だ。


 原作では、女冒険者たちを真正面から打ち倒すだけでなく、錯乱させて、みずからトラップへと足を運ぶように導いたりする。


「話を聞いてた、ってことは」

「うむ。何ならその従僕の役目、()()()に任せてみぬか?」


 ……トラップへの誘導の応用で、侵入者を追い出すのにも活躍させられそうだな。

 戦闘力もちょうどいいし。


「いいのか? 俺の《キャラクターメイク》で人間の姿になってもらうことになるけど。まあ、デフォルトの姿は記憶されてるからいつでもデフォルトには戻れるけどさ」

「人の姿となり、人を惑わすもまた一興。あるじ殿の好きにして構わぬよ」

「――メディもいいか?」

「いい! わんわん人間!」

「狐な」「狐ぞ」


 メディも喜んでるし、ならオッケーだな。


「そんじゃ始めるぞ。――《キャラクターメイク》」


 空中にカーソルを出して、巨大な妖狐を人間にしていく。

 メディのときと同じで、フィーリングで彼女のイメージを形にする。


 ダンジョンマスターの俺とモンスターの彼女たちは魔力で繋がっているから、そこから彼女のことを感じるんだ。


 出会ったこの辺が『夜』で固定されているので、そのイメージも含んだスタイルにしよう。


 まず身長。

 かなりの長身に設定。今の俺が175cmくらいで、彼女はそれと同じくらい。ヒールを履かせることで、俺を超える背丈になる。


 服装は、ロングのチャイナドレス。

 色は青。

 深いスリットから、艶めかしい足がぬっと伸びる。


 メディとは違うタイプだが、やはりメリハリのある肉体。

 チャイナドレスの胸元は大ボリュームで、服には谷間が見える穴を開けておこう。


 キュッと締まったウエスト、煽情的な臀部(でんぶ)

 そして、そこから伸びるのは立派なフサフサ尻尾! 触ったらうっとりするほど気持ち良さそうだ。


 ……うん。体はこんなもんだな。


 次。

 髪は当然のように純白。ロングヘアー。

 頭のうえの狐耳はマストで! これ、超大事! ピコピコ動くその様子に、メディも興味津々だ。


 顔は、切れ長の超美人。

 目元と唇にだけ薄いメイクが施された美貌。


「――どうじゃ、あるじ殿?」


 彼女は自信に満ちあふれたような仕草で、白くて美しい長髪を見せつけ聞いてくる。


「ああ。最高――…………、いやッッ! ダメだッッッ!!!」

「えっ」

「たしかに美人だし、イメージにもピッタリだと思う!『夜の中華後宮に現れた妖狐』――みたいなっ!」


 まあ、後宮でこんなエッチチャイナドレスは採用されないだろうけど。


「よ、よいではないか、それなら――」

「いいやッッ! 顎の角度がまだまだキミを再現できていないッ! 手足の長さももうちょっと――、眉毛っ! 眉毛も改良の余地ありっっッッ!」


 キャラメイクは沼だ(以下略)――



 - 2時間後 -



「あ、あるじ殿? たしかにより美しくはなった気がするが、わらわ、段々と疲れて」

「肩か? 肩の高さがおかしいのか!? 首の長さ……は、元のほうがいいッ!!」

「…………」



 - 1時間後 -



「あ、あるじ殿? 目が、もとより赤かったあるじ殿の目が、もはやドス黒くなっておるが!?」

「まつげの本数っっっ! 小指ももっと細く! ふ、ふふふ、ふっふっふ!」

「そ、そこな娘ッ子!? 我らがあるじ殿は大丈夫なのか!?」

「だいじょぶ。アルトさま、いつもこう」

「っっっ!?」



 - 2時間後 -

 

 

「アルトさま、えなどり」

「おうッ、サンキューなメディ! これでまだまだ戦えるッ!」

「~~~~っっ!?!?」



 - さらに2時間後 -



「出来たッッ――!」

「ほ、本当か!? あるじ殿、今度こそ本当だなっ!?」


 なぜか必死な様子の妖狐に、俺は答える。


「ああ! ()()()()()完璧だ! あとは顔の微調整だけっ!」

「お、おっふぅ…………」


 なぜか彼女は、ちょっとだけ後悔しているような雰囲気だった。

 なんでだ?


 ま、いっか。続き続き、と――






楽しんで頂けたらブクマ・評価・感想などで応援いただけると大変嬉しいです。


感想欄はログインなしでも書けるようになっているのでご自由にどうぞ。

評価は↓の☆☆☆☆☆を押して、お好きな数だけ★★★★★に変えてください!


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【書籍化&コミカライズ】
魔法女学園の売店ではたらく俺は、異世界から召喚された『ハーレム奴隷』です。

\紙&電子で好評発売中!/
html>

▼公式HP
https://www.takeshobo.co.jp/sp/tvn/content/9784801940291/index.html
▼Amazon
https://amzn.asia/d/6OcVbR6
▼DMMブックス
https://book.dmm.com/product/4528857/b330ftksb03581/

\コミカライズ配信中!/ html>
▼コミックガンマぷらす
https://gammaplus.takeshobo.co.jp/manga/mahojo/
▼Amazon(Kindle)
https://amzn.asia/d/9xYSF0M

\イラスト付きの電子書籍版!/
html>
試し読み部分だけでもイラストが1枚見られる豪華仕様です!
▼Amazon
https://amzn.asia/d/bU078fh
▼FANZA
https://book.dmm.co.jp/product/6039188/b126afrnc01574/


【電子書籍化&コミカライズ】
ツンデレ女子が幼馴染の鈍感男子に「ざまぁ」されていたので、寝取って教え込んであげた話

\コミカライズ好評配信中!/
html>
▼FANZA
https://book.dmm.co.jp/product/6051263/s540awujz00885/
※第1話無料!


同作者の一般小説はこちら↓↓

【おねショタ・主人公無双】
最年少ダンジョン配信者の僕が、JKお姉さんと同棲カップル配信をはじめたから
【モン娘・ハーレム・ざまぁ・寝取り?】
悪堕ち王子の快楽ダンジョン、女冒険者を帰さない ~エロゲの悪役に転生した俺、ひっそりスローライフを送りたいだけなのに美少女たちが集まってくるんですけど!?~


同作者のR18作品はこちら↓↓

【寝取り】ツンデレ女子が幼馴染の鈍感男子に「ざまぁ」されていてたので、寝取って教え込んであげた話
【モン娘ハーレム】魔法女学園の売店ではたらく俺は、異世界から召喚された『ハーレム奴隷』です。
【百合】百合サキュバスでごめんね
【おねショタハーレム】時給800円でショタペットになっちゃいました ~可愛いお姉さんに食べられてみたくありませんか?~
【ロリハーレム】JCシェアハウスの管理人 ~姪っ子たちのオナニー、手伝います~
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ