第二章:勇者グリフィン、平和を破壊する
冒険二日目の朝、勇者グリフィンは新たな町に到着した。町は緊張感に包まれており、人々がざわめいているのがわかった。
町民A:「大変だ!魔王の幹部が捕まったぞ!」
町民B:「騎士団が捕まえたみたいだ。もうこれで安全だ!」
グリフィン:「魔王の幹部だと?この勇者グリフィンが裁きを下さねばならない!」
グリフィンは騎士団の基地に向かうことを決意した。基地に到着すると、兵士たちが厳戒態勢を敷いていた。
兵士:「何者だ!ここは立ち入り禁止だ!」
グリフィン:「俺は勇者グリフィンだ!魔王の幹部がいると聞いて駆けつけた。俺に任せろ!」
兵士:「いや、これは騎士団の仕事ですので、勇者様は関与しないでください。」
グリフィン:「俺の正義を阻むつもりか!?剣を抜けぬわけではない!」
兵士:「そんなことはしませんが、抜けぬならそれで!」
グリフィンは兵士たちを無視し、基地の奥へと進んだ。そこには縛られた一人の男がいた。
男:「やれやれ、ようやく来たか。」
グリフィン:「黙れ!お前は魔王の幹部だな!」
男:「ああ、そうだ。俺は魔王軍の幹部、ガーランドだ。」
グリフィン:「素直だな…だがそれが逆に怪しい!お前はもっと抵抗するべきだ!」
ガーランド:「いや、もう逃げられないし、無駄な抵抗はしない主義なんだ。」
グリフィン:「ふむ、だがその冷静さこそがお前の危険性を示している。つまり、お前は俺に討たれるべき存在だ!」
ガーランド:「待て、待て、話を聞け。俺は情報を提供する代わりに取引をしようとしているだけだ。君が俺を殺す理由はない。」
グリフィン:「いや、そんなことはない。お前の冷静さと落ち着きは俺の正義に対する挑戦だ。俺の正義は常に燃え盛っているべきだ!」
ガーランド:「それはどういう理屈だ!?」
その時、騎士団の指揮官が現れた。
指揮官:「勇者グリフィン、何をしている!その男は貴重な情報源だ。」
グリフィン:「情報源だと!?いや、俺は彼の冷静さに潜む悪を見抜いた。俺の正義の剣で断罪する!」
指揮官:「ちょ、待て!」
しかし、グリフィンは指揮官の言葉を無視し、剣を抜いてガーランドに振り下ろした。ガーランドは驚愕の表情を浮かべながら倒れた。
ガーランド:「お前の理屈、理解不能だ…」
ガーランドが息絶えると同時に、基地の外から激しい攻撃音が響いた。魔王軍の精鋭部隊が基地に突撃してきたのだ。
指揮官:「何ということだ!ガーランドは和平交渉の使者だったのに!」
グリフィン:「な、なんだって!?だが、俺の正義に間違いはない!」
魔王軍の精鋭たちは基地を次々に破壊し、王国は滅びかける危機に直面した。基地は炎に包まれ、兵士たちは必死に抵抗するも次々と倒れていった。
しかし、不思議なことに、勇者グリフィンだけは無傷で立っていた。彼は剣を掲げ、胸を張っていた。
グリフィン:「ふむ、やはり俺の正義は絶対だ。次の町へ向かうとしよう。」
道中、グリフィンはふと立ち止まり、思った。
グリフィン:「今日は少し騒ぎが大きかったが、俺の正義が揺るぐことはない。次の町でも俺の正義を貫くのみ!」
そして彼は、新たな冒険と挑戦を求めて、次の町へと向かうのであった。背後に広がる炎と混乱を全く気に留めずに。