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黒の騎士 【第4章 開幕】  作者: 國司 奏祐
第1章 “千年に一度の聖剣に選ばれし者“と鼠
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叶う事ならまた意識を遥か彼方まで飛ばして二度と同じ光景を見たくなかったけども、

どうやらこれはどうしようもない不思議な現実のようだ。


全身の震えと鳥肌が凄まじいけども早くこの奇妙な状況を把握する必要があると判断して目の前の鼠に話しかけた。


これは一体どう言う状況なのかと。


(「“幾多の星が流れ、二つの月が重なる夜の闇から千年に一度の聖剣に選ばれし者が現れる“)

“」)


(「その通りの状況がまさに昨夜だったのです!!」)


「…あぁ、そう。それで?」


続きを促された鼠が何故か興奮し出して声高々に叫んだ。


(「聖剣に選ばれし者がこの世界を救う者なり!!」)


それに触発された鼠たちがうおぉぉぉーーー!!!と叫び出した。


煩い。煩いし気持ち悪い。実は私は齧歯類の中で鼠が一番苦手なのだ。

勿論、そんな事は口が裂けても言わない。言えない。


言ったら最後、この大量発生している鼠の軍団に美味しく食べられる未来しかない。

そもそもここは何処かと言うと十中八九、この者たちの巣穴かなんかだろう。


真っ暗な洞窟。当然灯りなんて物は無い。

そしてこの震えの原因に気付いた。


「ねぇ、何故私は全裸なの?」


下着すら身に付けていない。そら寒いわ。


この状況に落ち着かない私は何気なく自分の身体に触れると本来あるべき衣服を一切纏ってない事に気付いたと同時に呆れた声が出た。


彼らの優しさ?なのか、私の身体の大きさに合わせて何かの獣の皮が敷かれていた。

ドラマとかでよく見るお金持ちの家にあるアレみたいに。


どうやらそこで私は寝かされていたみたい。

謎の獣の毛皮を撫でて感触を楽しんでいると遠くの方から聖剣様は私が狩った仔狼の毛皮を大層お気に召された!!と聞こえたが、聞こえなかった事にしておこう。


「で?話は終わり?なら私はそろそろ帰るね。」


服を返せと視線を彷徨わせると皆一斉に視線をあさっての方へと向ける。


どうやら返す気はないようだ。


「ふ ざ け ん な !!」


返せ!私の服!!と凄んで目の前に居た鼠の胸ぐらを片手で一匹ずつ容赦無く掴んで目の高さまで引き寄せて凄んでやった。


するとあれだけぎゅうぎゅうで側に居た鼠たちが蜘蛛の子を散らすかのように逃げて行った。


「お前ら!鼠の癖に!!」


なんともくだらない悪態が口から出た。

残された二匹の鼠は恐怖で縮み上がり長い尻尾を足の間に挟んで震えていた。


「さぁーてお前たち、どうしてやろうか。

このまま生きたまま頭からバリバリと食ってやろうか?!」

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