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九十七話 やらかし結婚編32

この世界は男尊女卑と前にも言ったと思う…口には出していないが。そのきらいがあるのは貴族社会であれば本当に根強い。


例えば、女性の職業的な事とか社会的地位とか保証とか…乙女ゲームの世界観の癖に、女の子に厳しいと思いませんか。逆ハー認めている癖に女性側からの離縁すら簡単ではないんですよ。酷くね?


だから、元王女ですら離縁出来ない。それこそ、白い結婚を貫かない限り…それも、男側からの合意がない限り。王命とかなら別だけど。


何でこんな事を考えなくちゃいけないのかというのは昨日の出来事が原因である…お陰で一睡も出来ないどころかマリアをグチョグチョにしたれんかった…くそぅ。一線越えなきゃアウトじゃないのに(鬼畜)


昨夜。マリアと二人でラブラブしようとしたら、ミリスベルも居た…ナズェイルンディス。マリアの頼みで、仕方なく話を聞く事になった…


聞けば、やっぱりアスラーンはアスラーンだったというか、もうとっくの昔に故人だった。アンナニイッショダッタノニー…そこは、普通に偽物のアイドルとかオペレーターに心変わりしたで良かったのに。そうじゃなかった…


今まで会ってたアスラーンは男装してた双子の妹だったそうな。見た目そっくりで気付きもしなかった…だって、前々からそんなに話した事無いし。あいつ、酒飲まないし。俺、自称コミュ障だし。


何でも……アスラーン自体、俺が初めてゲロ吐いた日に王子側の刺客に暗殺されていたらしい。初耳にも程がある。葬儀すら内々に行われて、ミリスベルが知ったのも後日だったらしいから彼女に非はあんまりない。よく今まで上手く隠せてたものだ。


だが、現実を見れば殺されたのはアスラーンを伴侶にと選んだミリスベルの所為…だから、ヤーマン伯爵家の訴えで途絶えさせないように王家の加護をと偽りの恋人関係は継続。


双子の妹と偽装結婚して、いずれはミリスベルが誰かの子を宿すなり何なりして家を守りたい……というのが王家とヤーマン伯爵家との取り決めだったらしい。反吐が出るね。


何で、今まで黙ってるかな。ダチだろ俺たち…とは思ったさ。まあ、それはさておき…今になってそれを話し出した理由である。


先日の某伯爵に天誅下した俺…つまり、伯爵家程度どうにでもなーれが出来るようになった俺を頼りたかったそうな。本当に今更……俺、公爵でも何でも倒せた男よ。


はぁ…何が『アーくんになら全部捧げても良い』だか。好きな男を殺されて、酒浸りになって…嘘の結婚までして。挙句の果てには偽装結婚した双子の妹の呪縛を解いて、幸せになって欲しいと…


どうしてもっと早く言わない。助けて欲しいなら助けてと…そして、マリアも何で黙ってたんだ。いや、それを責めるのは酷か。部外者である俺…ましてや少し前までただの騎士である俺に何が出来たか。


でも、今は違う。悩みに悩んで出した答えはこれしか無かった。ダチ助けれなくて何が騎士か。何が侯爵か。何がアレクシール・カノーラか……外道は外道らしく外道するさ。




早朝。俺はアスラーン…もとい、その双子の妹を呼び出す。侯爵からの呼び出しだ。いかに向こうが貴族歴長くても無視するはずなかった。ましてや、ミリスベルの事ともならば…


いつものようにアスラーンとしてやってくる彼女と家の庭先で対峙する…形だけでも、そういう事はしておかなければならない。後腐れ無いように。決闘である…もっとシルバー巻いておけば良かった。


庭に突き刺した木刀二本(ぴょんぴょん丸ではない)の前で、俺はこう告げる…



「…アスラーン。俺は昨日ミリスベルと寝た(マリアを挟んで添い寝しただけ。お陰でマリアに何も出来なかった) 意味は分かるな?」


「あ、アレクくん…どういうつもりだい。君はこの前、あんなに大勢の子と結婚したのに」


「だからだよ…俺は欲張りなんだ。ついでにミリスベルも欲しくなったから手を出した。だから、安心して俺に任せろ」


「良かった……」



いや、そこは嘘でも「ぼくの大切な人を返せ」だろうよ。茶番やってる気はある…ついでに言えば、ミリスベルの気持ちも分かる。


ああ、認めてやるよ…初恋じゃないけど、ミリスベルの事は好きだよ。アスラーンがしないなら俺がって思うくらい浅ましい奴だよ、俺は。カッコウと呼べばいいさ、ハハッ…



「ついでにお前の双子の妹も貰ってやるよ。どうせ行かず後家の売れ残りなんだろ…まとめて面倒見てやるよ」


「え、本当に…いいの?」



だから、そこは「誰がお前なんかに(以下略」だろうよ。ついでに冗談半分で言った言葉に何故嬉々としているのでありますか…


煽ってんだから戦うところだろ、そこ。何で抱きついてくるんだよ…あ、いい匂い。じゃないんだよ。


本当、どうしてこうなった? それと使ってないならマムシドリンク返せ。

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