八十七話 やらかし結婚編22
翌朝…思いっきり小聖回復を掛ける俺。ルチルは雑魚体力だった…暗殺者なのに体力無い。まあ、体格差もあったのに無茶させたのは分かる…
それでも、それを望んだのはルチルだ。自分の得意な口技を封じて、俺の思うままに抱かれた可愛いやつ…
逆に言えば、余裕のある女…さすが生徒会長までしてただけはある。全然有能だったわ…俺の方が盛りのついたケモノだと思い知らされた。ガキだなぁ…俺。
「アレク…おはよう」
「ああ、おはよう……起こしちゃったか」
「大丈夫…アレク、撫でるの上手」
いつものように頭を撫でていたが、お気に召したようで何より。頭くらい嫌じゃなかったらいつでも撫でる。子ども扱いしているわけじゃない…それが俺の雑な愛し方なのよ。
「雑でも、アレクに愛されているのだけは十分分かる…やっと、叶った。アレク、愛してる」
「ああ、俺も愛してる……時間あるから一緒に風呂入るか?」
「うん、延長戦どんとこい」
こいつ、体力無いフリしてたな。おそらく、俺に十分な睡眠時間を確保させる為に…いいだろう。とことん啼かせたる。
*
浴後、ルチルを部屋に寝かせた…本人は仕事休むのを気にしていたが、休むのも仕事。ましてや、隊長としても頑張り過ぎて気張り過ぎるのが三日目だから休んでもいい。色々な休暇制度は今後俺押し通すつもりよ。
食堂に顔を出すと、二日目のカレーの匂い…と、オムレツを焼く音と匂い。どうしてオムレツだと分かるかって…一人暮らししていたのに初めて教えた料理。たまに差し入れてくる料理だからだ………今夜の大人のお子様ランチにオムレツ付ける予定が台無しだわ。
多分、拗ねてる…いや、間違いなく故意だ。だって、俺の秘蔵のチーズ使ってチーズオムレツにしてるもん…チーズオムレツカレー、絶対美味い。
「レシア、そんなに怒るなよ」
「別に怒ってなんか…」
「起こしに行ったら、奥の方で楽しそうな声聞こえてきたと怒って帰ってきたのは誰ですか?」
「ぐっ…」
メル曰く、今日は自分の番だから起こしに行くと言い張り、止めるの聞かずに俺の部屋に行ったそうな…後はお察し。
ルチルに嫉妬しているのである…まあ、俺が悪い。レシアの性格分かってたのにエキサイトしたのが悪い。ルチルに手玉に取られたんや…体型子どもでも中身は大人。逆に俺はガキ…勝てるわけない。
レシアの頭撫でると、「調理中に頭撫でるな。髪の毛入るだろっ!」って怒られた…人が作るものだから髪の毛くらい入っても仕方ないじゃない。それも愛情だがね。
ぷりぷり怒るレシアを宥めつつ、俺もオムレツ作りに参加…今夜はオムライスからチキンライスに格下げ決定…
チーズインハンバーグも普通のハンバーグに格下げ決定。三段重ねハンバーグにしよう。翌朝はハンバーガーだな(余るの確定)
*
ルチル不在で朝食を終え、今日は三人で出勤。少し広い馬車の中、ちょっと寂しさを感じなくもない。スタンティーナ家、縁の人物不在だから御者が微妙な顔してた。お前らのアイドル、ルチルはもう俺のものである。ゲスゲスゲス…
「後からクリスティーナとシェリチェが応援に来てくれるって約束してくれたから、セリーヌは午後から頑張ってよ。どこかの団長は午後休、隊長は欠勤なんだから…」
「誰だ、そんな勤務して…」
「お前だよっ! アレクシールはもっと団長としての自覚持てよっ!」
「まあまあ…先輩は、皆にご飯作るってかこつけて、レシアちゃんとデートしたいだけなんだから…」
セリーヌ、正解。買い食い以外でそれらしい事してないからなぁ…まあ、お題目は食材の買い出しなんだけど。
まあ、それで本人に負担掛けてたら本末転倒…だが、レシアとはそれくらい気安い間柄なのよね。その方がいいのよね。むしろ、騎士団長より騎士団の事考えてるレシア…もう団長しない。いや、マジで…
「あたしはアレクシールがやってるから手伝ってるだけで、騎士団とかどうでもいいから」
「レシアちゃん…それ、惚気」
「うっ…」
愛されてるなぁ……何なら、家帰ってこのままイチャラブしたい。俺も騎士団なんてどうでもいい(ダメ男思考)




