表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
77/296

七十七話 やらかし結婚編12

結納金すら払えない貧乏人。更に婚家の馬車を借りる…王城行きの王家の馬車、騎士学校行きのトリスタン家の馬車、騎士団行きのスタンティーナ家の馬車が家の前に勢揃いである。そもそも俺の愛駄馬は馬車引けないのよねー…馬車分解する速度で走るから。皆で遠出する時どうしよ。


名ばかり金無し侯爵…爵位返上するから金をくれ。嫁に苦労掛けさせない程度の甲斐性くれと嘆いてもどうにもならない…


そんな姿を見てマリアベル様が「やはり王になりますか。血税使い放題ですよ」と変な方向の慰めしてくる…バカ王子みたいになりとうない。真面目に働こう…苦労を掛けるね、お前さんたち。


スタンティーナ家の馬車に乗るのは俺と従者になったレシア。出勤期間中のセリーヌと…何故か、るっちー。



「…ルチルレート様。何故一緒に?」


「僕、今日から第六分隊隊長。えっへん」


「俺、聞いてない」


「言ってない。サプライズ」



セリーヌが尋ねたら、そう答えたるっちー…騎士団長よね、俺。ホウレンソウ大事なのに、どうなのこれ。まあ、るっちーなら強さに関しては問題無いけど…誰だ許可出した国王や前騎士団長たちは。




騎士の詰所に着いたら書類仕事の山…ただただ確認して可不可決めるだけなれど、誤字や脱字に嘘大袈裟紛らわしいを精査しなきゃならない。そこら辺が出来ない分隊長を持つと大変。


他にも近衛との連絡調整やら、近隣の騎士団との情報共有などなど…ただただ下っ端の騎士みたいに毎日ぐーるぐるしてれば良いってもんじゃない。


むしろ、たまに俺はかーなーり強いとかって突っかかってくる青二才に制裁加えたりしなきゃならない。今年の新卒騎士七人は全員しばき倒した。


これでも結構改善した方。俺の今までの努力が報われている……というか、今まで何してたん。そんなんだからチンパンジーがチンパンジーなのよって思いたい。


自分の子ども一人まともに育て上げられない人間が、部下を育てるなんて無理だがね。騎士学校が天下り先なので今後が心配。定期的に後輩を扱きに行く予定追加ね。



「アレク、働き過ぎ」


「アレクシールって何でも一人で抱え込むから……これで休日は炊き出しとか孤児院に行くとか言ってるんだぜ。昨日だってミュゼットを明け方まで可愛がってたのに」


「倒れないようにしないといけませんね、先輩は…」



嫁たちが体調心配してくれているが、出来る部下が少ないんよ…いっそ、暗殺者と丸ごと交換してクレメンス。


その愚痴が、団員たちを地獄の暗殺者教育に巻き込む事になるとは……思ってた。るっちー有能。むしろ俺の部下大半無能…マジで部隊再編しよ。


というか、初日にして曲者だらけの第六分隊をまとめ上げる(セリーヌ以外全員半処す)とかるっちー有能過ぎて第六分隊もう一人で良いんじゃないかな。セリーヌとレシアで副団長分の仕事やってくれて良いんじゃないかな?




定時退社は上司の務め。分隊は夜勤もあるから分隊長時代は残業してたけど、一番上がいつまでも残ってるとやりにくいから仕事残ってても置いて帰る。ましてや、俺新婚よ。嫁可愛がる方が重要任務よ。家族大切にしない奴が何を大切に出来ようか。これ、チンパンジーの教えって書いて目立つところに掲示しよう。



「先輩、今日は残業しないんですね」


「アレクシールにしては珍しい…」


「いや、嫁たちよ。俺だって家庭持ったら優先するよ…何なら仕事は部下に回すような嫌な上司化するよ」


「アレク。それが良い…有能な上司を持つと部下が無能になる。無能な上司を持つと部下は有能にならざるをえない…これ、暗殺者界隈で常識。だから僕も無能なフリしてた」



何処が無能よ、処す子ちゃん。俺と対峙した時から最強だってエルミディア嬢言ってたやん…


まあ、これからは徐々に無能ムーブして行こうとは思う。思えば今まで頑張り過ぎてた…ミュゼットが王都で襲われないように治安維持部隊気取ってた。昨日俺が襲ったけど、テヘペロ。


ある程度闇の部分は必要よね。じゃないと騎士団解体されて無職てんてーになる。天下り先も準備しとこ。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ