七十四話 やらかし結婚編9
最後である。最愛の妹嫁のミュゼットと、関西弁シェリチェ嬢……転生コンビ。きっと何か意図してる…まあ、可愛い嫁の小賢しい企みくらい許容出来ずして何が夫かである。
「兄さん、どうや。ハーレムの主になった気分は?」
「全員の愛が重すぎて潰れそうだわ」
「小兄様が好色なのが悪いんですわ…」
「俺の最愛はずっとミュゼットなんだけどなぁ…」
「なっ…」
人には前世から愛してるとか恥ずかしい事言っておきながら、俺が言うと真っ赤になるミュゼット…まあ、可愛い。
役所で待ってる間に二人だけで話した。ミュゼットの前世の事…うん、そうなのねって感じ。確かに華星のお菓子持ってた気する。だからって、それで謝るのは違うし、結果助けきれなかった俺の所為。でも、あくまで前世は前世なんよ。
ロリコンナイトだけど、俺はその女の子を愛したのではなくミュゼットを愛したのよ。前世から愛してくれてありがとうではあるが……俺、胸貫かれて死ぬん?
「ラブラブやねんなー。ウチ、邪魔ものみたいやんか」
「そんなシェリチェだって、王子以外の他の攻略キャラ選んで逃避行だって出来たろうに…前世も今世もおっさんの俺なんか選ばなくても、地位的にもより取り見取り盛り沢山じゃなかったのか?」
「仕方ないやん。あのアホを天翔◯閃でのした兄さんに惚れたんやから」
「飛天◯剣流じゃねぇよ。ただの横一文字斬りだ…あんな漫画みたいな技出来るか(ガトチュ実施済み)」
類は友を呼ぶって感覚なのは分かる…多少の事には目をつぶろう。でも、俺と同じで前世でそれなりに生きてきてるのだからもう少し大人の対応というか感性を持って欲しいとは思わなくもない。
まあ、打算もあるのだろうさ…本当か嘘か惚れたと言ってるんだ。嫁にまでなって…
「まあ、あのチンパンジーが少しでも改心したって俺の女に手を出してくるなら容赦なく今度は息の根止めるから安心しろ」
「そういうところやで。ウチが羨ましくなって惚れたとこは…」
「はぁ…小兄様はやはり女たらしですわね。シェリチェ様だから良いですが。今後、嫁以外を口説くのは程々にしてくださいね?」
「分かってるさ…14人も美人の奥さん貰って養えるか悩んでるのに不倫とかする余裕無い。だいたい、第一夫人がすっごいヤキモチ焼きだからなぁ……」
「メルモニカはんにも噛み付く勢いやったもんなぁ、あの時」
メルに噛み付くって…まあ、仲良い事。というか、そろそろ風邪ひくから早よ洗うぞ。
シェリチェ嬢は…騎士目指す割に傷一つ見当たらない。元副団長甘そうだったからなぁ…これから見回りとかあるんだろうし、鍛えておくべきか?
「兄さん、セクハラ大歓迎やで。他の子とは違って前世は経験豊富やさかいな」
「どうせ画面の向こう側とかいう喪女だろ。その経験豊富さあったら別の国の王子とか狙えただろ」
「うっ…覚えとりや、兄さん」
図星か…まあ、虚勢張りたくなる気持ちは分かる。姉御感出して良い方向に導いた功労者でもあるわけだし。というか、最後まで背中洗わせず逃げていった…意外と一番うぶかもしれへん。
「小兄様。シェリチェ様が前世持ちだからってからかいすぎですわ」
「ああいうのは前世の思考に染まり過ぎてるから現状を自覚させるくらいで良いんだ。離婚しても女性が働ける環境少ないファンタジー世界なんだぞ。自分はヒロインだ、逆ハーレムだって思考になって困るのはシェリチェだし」
「絶対そんな思考にはなりませんわよ…むしろ、小兄様が主人公だハーレムだって思考になって早く手を出してくださいませ」
あれ、何で怒られるん。せめて最初に手を出すならミュゼットって決意してた俺の我慢は……
「クリスティーナ嬢の胸揉んだりして良かったん?」
「むしろ、あれを揉まない小兄様が信じられませんわ。わたくしでさえ揉んだ事ありますわよ」
「………何それ、羨ましい」
「後、小兄様はわたくしの揉んだし…」
「何それ、なんで覚えてない。俺…」
 




