七十三話 やらかし結婚編8
最難関を何とか終わらせた……揉みたかったなぁ。下心に耐えてよく頑張った、軽蔑した。男としてやっぱり揉むべきだったと思う。明日は唐揚げ作ろう。美味しく作るなら揉み揉みである…高カロリーだから余りそう。
残るは後二組…来たのはシルディナ嬢とラティーナ嬢。仲良しコンビだわさ…守銭奴聖女、ようやく登場。
シルディナ嬢はいいねん。もう手出してるみたいなものだから…問題は聖女よ。どうやら、教会関係者に俺を聖人として認めさせようとしてる問題児。全てはあの特級呪物の所為…
元金持ちとは特級呪物を手に入れる為の婚約だったわけだし。二本目のロリコン棒が手に入らない上に聖女の婚約者なのに女遊びしてたら破棄されても仕方ない……というか、あんな特級呪物を二刀流したがる方が嫌だわ。
「聖人様、貴方の御業拝見させていただきました。やはり癒しの業の使い手だったのですね。それも、わっちなど足元にも及ばない最高度の…まさしく神」
「……………おぅ?」
「お兄様の手が昔の傷さえ癒やしてくれていたんですね、やっぱり」
ロリコンナイトはロリコンナイトだからロリコンナイトなんだぞ。神とか言われても分かんない…(錯乱中)
聞けば、ラティーナ嬢の癒しの力はあくまでも傷を癒す自己治癒力の増加がメインで、特級呪物使っても三倍くらいが限度とか…つまり、リジェネ的なものかしら?
それを俺のは古傷も治す小聖回復と比べられてもねぇ……え、聖人にすぐなれるとか言われても興味無いわ。
「聖人なんかになったら結婚破棄されて死ぬまでボロ雑巾のように使い潰されるやん…」
「聖人様…教会はそんなに酷い所じゃないですよ。少なくともここ最近は…わっちが貧民から力を認められて教会入りした時はそうでしたけど、ミリスベル様と聖人様が運営する孤児院への支援を始めてくださった時から大きく変わりました。それを讃えるだけでもお二人には聖女と聖人として列聖加わるべきかと…」
「まだ死にとうない」
「生きたままでも加わる事は可能です」
嫌や。死んでも歴史とかに名を刻むような事は……してるけど。王子首刈り侯爵とか歴史書に名を刻むだろうけど、それは仕方ない。ただの女好きアレクくんくらいなら許せるけど、聖なる事なぞしとうない。
そんな力を無闇矢鱈に使っても金にはならんねん。病気に効くでもなし、あるのは多少の消臭効果くらいの癒しで施ししても人ってのは傲慢なのよ。治せばもっとと欲しがり、治せなければ無能と罵倒され…親切心や優しさで志を高く持てど、すり減らすのは己の心ばかりなり。
だから、こんな力は使いたい時に使いたい相手に一方的に行使するものであって分け与えるものじゃないと説いた………
「結婚してくださいっ!」
「いや、してるやん」
「一緒にもっと強い癒しの力の持つ子をたくさん作りましょう。そして、誰もが癒しの力を持てる未来を作りましょう」
「そういう理由の子作りは嫌だす」
最狂信者怖い…話を聞いてくれない。というか、他所の子が出来るんだから指導すれば出来る人増えるんじゃね?
興奮するラティーナ嬢を座らせ、シルディナ嬢と一緒に洗っていく…背中とか腕とか見る限り傷は無い。
「お兄様、胸の辺りにまだ少しだけ傷が残っているんです…しっかり触って治してください」
「…………今度ベッドでお願いします」
「言質は取りましたからね。絶対ですよ?」
本当なら治したいけど、多分嘘やろ…嘘でもベッドで全身舐め回すように見たるわ。でも、それはまだ早い。ロリコンナイト、ノータッチを貫くねん。背中洗ってるけど…どうせ守れないけれど。




