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七十一話 やらかし結婚編6

色々と悩む事はあるけれど、悩んでいても仕方ない。彼女たちは既に受け入れているのだし、俺の気持ちの問題である…



「レシアやセリーヌだったら、呼び捨てるのも慣れてるんだけどなぁ…」


「それはアレクシールが平民は下だ、貴族は上だって考えているからだろ。まあ、昔は哀れな子に施しをって上から目線あったけど…どっちかっていえばアレクシールは自分も下って考えてんだろ?」


「自分もそう思います。ミリスベル様を友人なのに絡み酒夫人とか言ってますし…貴族苦手なんですよね、先輩は」



いや、お前らも貴族だかんな。従者になったレシアは準士爵だし、セリーヌは士爵どころか薬の一件で準男爵なんだけどねー。そういう意味では爵位令嬢より実質上なのよ、君たち。


そういう事微塵も感じさせない気楽さあるからレシアとセリーヌとの付き合いは悪くないわけだし。


まあ、前世に感覚もあるし味噌っカス改め他所の子だったから平民からの成り上がりみたいなものよ、俺も。


侯爵なんて地位になってしもたけど、別に領地があるじゃなし(名誉士爵領はクソ親父に突き返した)、寄り子居るわけじゃなし…ただただ爵位だけ上がった能無しよ。



「……アレクシール、貴族ってマジで?」


「つまんない嘘言うわけないだろ。まあ、第何夫人か知らないけれど侯爵夫人の方が上だから目立ちはしないけど、一代爵位でも持ってる方が有利なんだぞ」


「…先輩。自分、侯爵夫人とかやれる自信無いです」



俺も侯爵やる自信なんてねぇよ。むしろ、俺ら三人とも分不相応なの分かりきってるだろうよ。こうやって仲良く背中流して、苦労かけるねおとっつぁんごっこするくらいでちょうどいいわけよ。


むしろ、さっきまで体流してた連中で傷無いのメルだけだったからな。そのメルだって昔にこっそり治していたくらいよ。つまり、レシアとセリーヌの方が体綺麗だったのよ。貴族教育してバシバシ鞭打つくらいなら平民として伸び伸び育てた方が良いのよ。


それをどうするよ、十四人も娶って後継者争い確実やん。俺、政略結婚は嫌よ。せめてどっちかに恋心ないと……そんな先の事気にしても仕方ないけど。



「まあ、俺に惚れたのが運の尽きだ。エステとか色々通って、俺の女はこんなに可愛いんだぞって見せびらかしてくれ」


「アレクシールって、そういうとこ容赦ないわよね」


「当然だろ。それが俺の愛し方だ。そもそも俺が王都に残った原因はレシアなんだからな…危なっかしいお前が居なきゃ、首席だの炊き出しだの全て放り投げて何処かにふらりと旅立っても良かったわけだし…ちゃんと責任とって俺に愛されろ」


「なっ…」



そういうと耳まで真っ赤になった。レシア、ちょろすぎ…そういうところが愛おしいんだけども。妻になったんだから覚悟しとけ。今までからかってきた分全部返してグチョグチョにしちゃる。成人してる分、容赦も手加減もないからな。



「セリーヌは侯爵夫人なんて気にせず、今まで通り騎士として俺を支えてくれれば良いからな。むしろ、侯爵夫人なんて気負うのはミュゼットとかに丸投げしとけ。大事なくっころ女騎士の座を降りるな」


「その、くっころ女騎士ってやめてもらっていいですか…」


「NTR属性無いから、きちんとベッドの上でそういうプレイしようなー」


「しちゃうんですね…」



最年長なんだから、一番覚悟しなきゃいかんでしょ。背中流すついでに凝ってる肩もマッサージ。元貧民のくせに、騎士学校に関わる女の子は脅威の胸囲発達マッサージとか受講してるんですかねぇ…


まあ、俺だって男よ。マリアベル様やシルディナ嬢は高貴すぎるからさておき、近くにいる女の子を思って慰めたりする事だってあったさ。それが妻になって迫ってくるんだから臆するわけないやろ。


二人の間に座って、それぞれのお腹に手を回して抱き寄せる。



「覚悟しとけよ。今まで散々俺をその気にさせてきた分、死ぬほど愛してやるからな」



その一言で二人は茹でダコみたいになった。ういやつらよのぉ…オラもナイトソードオッキシタ(しまえ)


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