六十六話 やらかし結婚編1
どうやら、我が妹…もとい、義妹のミュゼットはヤンデレみたいな気がする。まあ、それはそれで良い。愛してるいただきましたので、ベイベ。
アレクシール・カノーラはキングコングの子ではなく、その弟の子らしい…つまり、俺はド◯キーコングJr.? 誰がゴリラやねん。
だから、心配しなくてもミュゼットとは結婚出来るのだとか……味噌っカスじゃなく他所の子だからクソ親父冷たかったのね。グスン………あれ、優しいクソ親父とか想像したくねーや。
でも、そんなワイにも、これは絶対嘘じゃない愛してる(嘘、大袈裟、紛らわしい)という義妹以下十四人の嫁が出来るのである…
まあ、役所に証明書出しに行ったら「何ふざけてるんですか、出直してください」と追い返されそうになったけど。マリアベル様が王女命出して、確認の為に絶賛待機中だけど。
提出しにきたのは、俺とミュゼットとマリアベル様とるっちー…もとい処す子ちゃんことルチルレート様である。「様付け要らない、僕は嫁」と言い張る暗殺者…何それ怖い。後、他のメンバーはやる事あるからと残った…悪い予感しかしない。
「…まあ、ミスティア嬢たちは分かるんだ…理由前に聞いたし。既にロックオンされてたの何となく察してたから。でも、るっちー…パンツ見られたくらいで嫁になるのはどうかと思うんだが」
「裸見たのは娶るのに、パンツ見たのは捨てるの?」
「ぐっ……言い返す言葉が無い…(縞パンは正義)」
「小兄様、諦めてください。ルチルレート様はわたくしたちに良くしてくださいました…ルチルレート様が居なければ小兄様は暗殺されていたかもしれないんですよ。その功労を認める為にも愛してあげてください」
ミュゼットにそこまで言われるルチルレート様……まあ、美少女だし処す子ちゃんだしパンツ見たし、悪感情は無い。ただ、俺そんなに博愛じゃないんだけど…
というか、王女に公爵令嬢、侯爵令嬢、辺境伯令嬢、伯爵令嬢などなど……役所の人間だけじゃなく普通の人が見ても冗談だろって面子だわな。そりゃ確認もしたくなるし冷やかしと思うわ。
まあ、王女命を使った以上きちんと確認しなきゃいけないので役所はてんやわんや…今度の新聞とかには載るだろな。面白おかしく…
結局、確認には夕方までかかった。そして認可された…いいのか、それで。未成年者も含まれているのに……可愛いは正義か。あるいは面倒だから通しとけ。定時に帰るぞって無能上司の鶴の一声か…そういう上司に私はなりたい。
「これで却下されていたら陛下にお願いへ行く予定でしたので助かりました。場合によっては、そのままアレクシール様が王になっていたかもしれないので」
「…俺に国王を倒させるつもりだったとか?」
「ええ、最悪の場合ですけれど」
マリアベル様、恐ろしい子…いや、恐ろしくない子居ない気もする。
まあ、晴れて十四人の嫁を持つ女たらしになったアレクくん………指輪十四個も何処に着けるか悩み中。仏壇フォーム的な鎧製作しようかしら?
どれだけ金かかるねん。もっと稼がないといけない……騎士団長って、どれだけ稼げるんだろ。全員養えるかなぁ……学生も沢山居るし、費用だって出さないと甲斐性無しですぐ離縁されかねない。
「小兄様…色々と悩んでいるところ悪いのですが、この後会食ですわ。さすがに国王陛下やお父様は不在ですけれど、近場で集まれる範囲の親には集まってもらっています」
「顔見せとか用意周到すぎへん?」
「お姉様方にもお手伝いいただきましたし、アレクシール様は今や愚王子から国を救った英雄です。若き侯爵と縁が出来ると喜ばれていますよ」
「喜ばない家族は処す」
いや、それやめれ。どちらにしてもフルボッコにしかされない予感…殴られるのは甘んじて受けよう。罵倒も覚悟している…ただ、絡み酒夫人同席するとなると酒代足りるか怪しくなるねん。格式高いところ予約してそうだから、天井知らずな気するねん。
……明日には屋敷手放さなきゃいけないかもしれへん。




