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五十七話 やらかし妹・乙女期編②

別の日、シェリチェ様とラティーナ様と会う事になった。場所は、王都の聖堂……ラティーナ様は聖女様だから仕方ないわよね。でも、わたくし要る? メルモニカだけでいいんじゃない?



「ほんま、あのアホが悪い事したなぁ…メルモニカはん、大丈夫やったか?」


「は、はい…(訛り酷いですね)」


「…………関西弁?(ぼそっと)」



誰これ…シェリチェ様に関西弁訛りなんて無かった。バカみたいに剣を振り回す片方(脳筋担当)だったはず。レミルーファ様が知識と体力が満遍なく鍛えているのに比べて、シェリチェ様は完全脳筋だったはず……


なんだけど、何か違う。というか、メルモニカ名乗ってないのに知ってる……これは、小兄様やクリスティーナ様が何か吹き込んだわね。



「アレクシールの兄さんが、『俺の可愛い可愛い女』って言うくらいやし…もしまた何かされたらウチに言うんやで。今度こそ、あのアホの息の根止めたるさかいに」


「は、はあ…」


「…メルモニカ、小兄様にそんなに想われてますの。へぇー…」



だから、ベッドに入るのを止めたのね…へぇ……もしかして、もうシタの。ねぇ、もう寝たの?



「あー……せや、ラティーナが向こうで待ってるからメルモニカはんは行って治療してもらってきーな。左手のリボンのとこやろ。あのアホが掴んだところ」


「え、でも、もう治ってますから…」


「念の為や、念の為……それに、こっちの嬢ちゃんに話あるさかいな。ほら、噛み付かれる前に行ってきーな」


「がるるるる…」



メルモニカは奥の部屋に入って行った…そこでラティーナ様が治療を行っているそう。お布施とか寄付金が必要だけど、今回は要らないとかミスティア様が言ってたけど…普段どれだけ取るのかしら。


残されたわたくしとシェリチェ様……初対面だから気まずい。気まず過ぎて落ち着いた…考えてみれば、してたら分かる。シーツみれば分かるもの…小兄様がメルモニカと部屋ではしてないって。お風呂場での可能性はまだあるけど…



「あー……考え込んでるとこ悪いんやけど。あんさん、転生者やろ?」


「…………へっ?」


「ウチが知ってるミュゼットやないもん…ウチも転生者なんや。さっき関西弁って言うてたし…それに、あんさんの兄さんも転生者やろ?」


「ぬぇぇぇぇぇぇェェェェェェェ…」



わたくし以外にも転生してた人が居たぁぁぁぁぁぁ…しかも、小兄様も転生者ですってェェェェェェェ……変な声出た。




シェリチェ様の中身(前世)は享年二十七歳のOL…所謂腐女子だったらしい。名前とかは覚えてないけど、華星の事は知ってる腐りきった残念な人みたい。前世の母同様に。



「あー…藤野 真論ってあれやろ。男の人が庇って助けてくれたのに、ボーッと突っ立ってて対向車に撥ね殺されたバカな女子小学生。ネットでも話題になったし、覚えとるで」


「…バカな女子小学生……否定はしません。わたくしは取り返しのつかない事をしました」


「……まあ、前世は前世や。それより、今の事を話そうや。原作…言うても、ミュゼットはんが知ってるのは主にアニメやな。色々と違うのは分かってるやろ?」



わたくしは頷く。最初は……そう。小兄様がわたくしが誘拐されるのを助けてくれた所からだ。そう考えると、小兄様が転生者だから防いだって推察出来る。


他には、マリアベル様の左足とかセリーヌさんやクリスティーナ様の様子…メルモニカだって雰囲気少し違うし、ルチルレート様の事だって小兄様絡み。そう考えれば小兄様の存在自体が異質なのが分かる。



「小兄様が転生者………でも、それでも構いませんわ。驚きはしましたけれど、この気持ちは揺らぎません」


「……さよか。色々アドバイスしたかったんやけど、不要みたいやな。けど、何があったらいつでも相談に乗るで」


「はい。ありがとうございます……嫌味じゃないですよね?」


「本心やで。中身バカな小学生騙すほどお姉さん腐っとらんて」



関西弁でバカって…バカにはしてますわよね?

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