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五十六話 やらかし妹・乙女期編①

六月…小兄様が隊長を務める分隊が主軸として活動する期間とあって、帰宅しない日も増えた。そんなので、どうやって仲直りするのよ…


そんな折、学園にて呼び出し…というか、学園内でのお茶会のお誘いを受けた。表向きは先のメルモニカのケガに関して。王子らの婚約者様たちから謝罪をしたいとの内容だった…どうせ、アニメみたいにグチグチネチネチ言われるんだろうけど。


悪役令嬢五人組…聖女という名の守銭奴ラティーナ・セイリック伯爵令嬢。騎士団縁故のサディストその1シェリチェ・ホーウェン伯爵令嬢。将軍娘のサディストその2レミルーファ・ティノーヴァ侯爵令嬢。腹黒参謀エルミディア・シュノーケン侯爵令嬢。そして悪役令嬢オブ悪役令嬢ミスティア・レイリック公爵令嬢の五人。


蛇蝎の如く嫌われている悪役令嬢たち…但し、見た目は良い。黙ってさえいれば………のはずだったと思うんだけど。



「遅くなりましたが、此度のキーファンソン令息の愚行を止められなかった事、そしてメルモニカ様にケガを負わせてしまった事、監督責任者として深くお詫び申し上げます」


「は、はい…恐縮です」


「……………え?」



男爵令嬢でしかないメルモニカに対して頭を下げて深く謝罪するミスティア様、エルミディア様、レミルーファ様の三人。誰これ、こんな真面目な事するようなキャラじゃなかったでしょう?


せいぜい、「貴女が不注意でケガをしたのに大事にして何様のつもりかしら。腕がちぎれてから文句を言いにきなさいな。ホホホホ」ってくらい言うはずなのに…


まったくの別人。後、二人程足りない。



「本来なら、婚約者であるシェリチェが真っ先に謝る必要があるのでござるが…彼女は騎士学校に進学しており貴女方とは接点が持てておらぬ故、後日改めて学外にて詫びたいと言伝を預かっている。それにも応じてくださると助かるのでござるよ」


「はい、是非とも」


「…………ござる?」



レミルーファ様、そんな口調じゃなかったはず…「貴様、切り刻まれたいか。魚の餌にするぞ」とか言っていつも帯剣してるレイピア振り回してるイメージ。あれ…持ってるのレイピアじゃない? 剣の事はよく分からないけど、日本刀みたいな…



「聖女でもあるラティーナさんも、貴女方と会って治療と交友を深めたいそうなので是非ともお願いしますね。特にミュゼット様のお兄様はラティーナさんにとって恩人だそうなので…」


「…恩人ですか?」


「ええ、何でもユニコーンがどうとか」



ユニコーン……何か思い出してはいけない思い出があるような無いような。まあいいや…エルミディア様の言い方だと、ラティーナ様は飛び級してきてないみたいだし、何やら小兄様と接点ありそう。


後、エルミディア様だけは読めない。腹黒さはあるような気もするけど、アニメほどじゃない気もする。程よく毒抜きされてそう…


アニメと比べたら、そんなに悪い子たちじゃない気がする。むしろ、王子たちに悪い部分吸い取られているんじゃないかとさえ……


どちらにしても、王子たちとは関わり合いになりたくないし、ましてや彼女たちの婚約の邪魔をする気もない。


アニメの王子たちより子どもっぽくて、前世のわたくしの同級生と同じくらい…どれだけ小兄様が大人で男性としても魅力的であるか……気付いたら、熱弁していましたわ。



「…ミュゼット様。道ならぬ恋、とても素晴らしいです。応援します」


「兄と妹…禁断の恋とは思いますが、あたくしもそんな純愛がしてみたかったと思います。周りが何と言おうと、あたくしたちは味方ですから」


「兄として身分を上げてアレク殿はそこまでミュゼット殿を愛しているのでござるな…それに比べて我が婚約者は。ミュゼット殿たちが羨ましいでごさるよ」


「……ミュゼちゃん、話し過ぎ」



メルモニカの呆れた目と対照的に、三人がわたくしを見る目はうっとりかつキラキラと輝いていた……あれぇ?


どうしてこうなってるの?

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