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五話 やらかし11歳期

結局、あの後処す子ちゃんの再来は無かった。ただ、差し出し人不明の手紙は届いた…宛先「ミソッカスへ」 悪意を感じる。いや、名前だと思われてるんかい…


が、中身はもっと悪意だった。「いつかお前を処す」…デデン! 当然、真っ二つに破り捨てた。うん、何も見なかった。俺は何も見なかった。


それからも平穏な日が続く。ゴリラと肉食獣夫婦をはじめ、我が家は今日も安泰である…ミュゼットとメルモニカが家庭教師つけられて淑女教育とか始まった。


更にサリィ女史も懐妊したにも関わらず、ゴリ嫁のスーパー算数教育もやり出したから一緒に遊ぶ機会も減った。一緒に勉強するレベルではない要らん子、ますます要らん子。


それに比例して、ゴリラが少しずつだが内政を学習し始めた事に伴い、クソ親父たちと一緒に魔物退治して血塗られていく生活。幸せ太りしたゴリラにはもう負けない。クソ親父にも勝率六割くらいで勝てるようになってきた。


こうなると気にしなきゃいけないのは将来の事である。今の当主クソ親父、次期当主ゴリラとその家族。ミュゼットとメルモニカ家族他使用人…部屋は足りなくなる。成人したら間違いなく追い出される。


更に内政の手伝いしているインテリ眼鏡は18歳で婿入り決まったのだ。相手は母方の縁者…ルクシール領の復活である。


ルクシール領の当主は母上だったがクソ親父と結婚して領地吸収合併。そして、辺境伯領内の自治領として復活するのである。 


それに伴いゴリラの名字からはルクシールの家名が消え、インテリ眼鏡の名字からはカノーラの家名が消える。ミュゼットは後ろ盾の意味もあり変わらないが、一番微妙な立場になるのは味噌っカスの俺である。


一応、カノーラの姓は残るが追放とかされたら家名取り消しの上、平民として生きていかなくちゃならない。オラ、王都さいぐだ。王都さ行ってベコベコになるだ…と漠然と考えている。


貴族学園を出ていない愚兄を二人、更に中卒無職の味噌っカスがもう一人とか、どれだけ不良債権だよと。何も誇れるものが無い我が家である…せめて、俺くらい学校行って少しは箔付けてやらないといけない。貴族学園とかマジ無理だけど…


なら、騎士学校に行けば良いじゃないと思い至る。騎士学校ならきちんと卒業出来ればバカでも騎士になれる。但し、バカなら雇ってくれるのは下位貴族くらいであるが…


それでも、兄ちゃんは◯◯で騎士やってるんだぞ。兄ちゃんはな、兄ちゃんはな偉いんだぞって胸張れる。うちの兄ちゃんは味噌っカスからお粗末になれるんだぞって見せてやりたい。


更に、ミュゼットとメルモニカが貴族学園行けるように魔物退治に精を出して資金貯めた。三年間分で金貨300枚ずつ。ゴブリンなんて余裕です…この前、伝説の神獣とかいう処女厨馬(ユニコーン)をはっ倒して大儲けした。


確か、商人令息ルートでは婚約者がユニコーンの角を欲しがっていたのだ…その婚約者は伯爵令嬢にして聖女の称号を持っている些細な設定。それがあれば多くの人を救える。そうなればすんなり婚約解消して味方になるのである。いや、渡さないけど…


せめて小聖回復(ヒール)のパワーアップをである。さすがにベホ◯ミくらいは欲しい。結果は聞くな…ユニコーンよりメ◯スの修理機能の方が使える。何がユニコーンの角だ、変身ステッキじゃねぇかっ!


そんな黒歴史は忘れる。女装した味噌っカスなんて居なかった。ミュゼットたちに渡すのも憚られる…好感度が地まで下がるだろう。


そんなやらかしだけは回避出来たと思う。そうだ、インテリ眼鏡の婚約祝いにプレゼントしようとか思い至るだけである。


後に、初めて次兄にぶたれる事になるだけである。何故や、コスチュームプレイする絶好の機会やろがい。

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