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四十四話 やらかし妹・幼少期編②

兄様…といっても一番上のゴリラみたいなアーガイル兄様が結婚する事になったのはメルちゃんたちが来てから一年ちょっとが過ぎた頃だった。


普段から辺境伯領で暴れている魔物退治に出ているお父様やアーガイル兄様。最近は兄様もそれに行くようになって怪我……は何故か兄様だけ一日で治ってる。ギャグキャラかな?


それでも、やっぱり不安だし、兄様が野営で帰ってこない時には悪夢を見る事も多い…メルちゃんのお母さん、アマンダさんが添い寝してくれるけど、やっぱり兄様がいい。


話は戻して、アーガイル兄様の結婚相手、サリィ義姉様は優しそうな人だった。でも、兄様が「え、その歳で婚約者居なかったの?」って言った時、目の奥は笑ってなかった。


でも、それは兄様が悪い。私とメルちゃんも兄様が悪いと非難した……でも、確かに18歳で婚約者が居ないっていうのは貴族世界では遅いってアマンダさんも言ってた。だいたいは16歳くらいまでには婚約者を決めて、それから卒業後すぐに結婚するのが当たり前って言ってた…


兄様が学校に行くまで五年。卒業まで八年……兄様の事はアニメには出てこなかった。でも、メルちゃんの婚約者が兄様だって噂で聞いた事がある。


メルちゃんなら良いかなって思う私と、それでも嫌だって思う私が心の中で喧嘩してる。嫌だなぁ…メルちゃんだって兄様が大好きなの分かってるのに。


そんな事を考えていたら、あっという間に結婚式の日になった。


兄様は皆に小言を言われて拗ねて雲隠れ。さすがに皆言い過ぎだと思う…兄様だってTPOくらい弁えてる。まるで兄様を他人にしたいみたいな言い方……他人なら良いのに。


お父様の隣で、メルちゃんと一緒に来賓の人たちにご挨拶をする…子どもだから許されるだろうけど、正直逃げたい。兄様を追い掛けておけば良かった。


王都からやってきたお姫様、テレサベル様は凄く綺麗だった……うん、綺麗だった。綺麗だと思う…宝塚みたいで。異世界って凄いなー…



「はじめまして。スタンティーナ公爵家の長子、ルチルレートと申します。この度はアーガイル様、サリィ様のご結婚、誠におめでとうございます。父の名代として若輩ながら馳せ参じました」


「ふわぁ……っ!?」



思わず声が出ちゃうほど可愛い女の子。少し年上みたいで、綺麗にスカートを持ち上げてお姫様みたい…


だけど、声を出したからこちらを鋭い目で見てくる……こ、怖い…


睨まれたのは一瞬だったけど、あの子には近づかないでおこう。


その後だけど、その子は顔を真っ赤にして早々と帰っていっちゃった…何があったんだろう?




サリィ義姉様は才女だった。立派なレディー…そうなれるように勉強を頑張りましょうって言われた。うぇぇ…


それに家庭教師まで用意された。淑女教育までさせられるようになった。姿勢矯正に礼儀作法、テーブルマナーなどなどなどなど…


メルちゃんと毎日泣きながら、励ましあいながら頑張った。とてもとても辛かった。


でも、一番辛かったのは兄様と一緒に寝る事を禁止された事だ。年頃の男の子と一緒に寝たら酷い目に遭うって言われて……兄様になら良いのに。


ただでさえ兄様は騎士たちと一緒に、毎日のように魔物退治に出掛ける。野営して帰ってこない事だって多い。それなのに、兄様と過ごす時間がどんどん減って、一緒に眠るのさえ禁止されたら狂いそうだった。それはメルちゃんも同じ…


だから、早く淑女教育終わらせて兄様と一緒に寝るんだ。目指せ、家庭教師排除。おー!

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