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四十二話 やらかし妹・前世編

ドンッと体に衝撃が走る…



私の名前は、藤野(とうの) 真論(まろん)。小学六年の女の子…


家にはお母さんが居て、お父さんとは離婚して二人でアパートに住んでいる。


お母さんは、腐っている……性格もだけど、その趣味も。


今、はまっているのは「華の乙女と星の王子たち」ってアニメやゲーム。「エルヴァン様萌え〜、キースくん可愛い〜」とか気持ち悪い事を毎日言っている。そんな事する暇があるなら働けば良いのに。


少ないお金をやりくりして、買い物するのも、毎日ご飯作るのも私。


もっと友達と遊びたいって気持ちも、いい中学校や高校に行くために勉強頑張らなきゃって気持ちもとっくに枯れた。


真論ちゃんは大人びてるねってよく言われるけど、そんなんじゃない…もっと甘えたい。もっと可愛がって欲しい…でも、そんな事してくれるような親じゃない。


むしろ、私が甘やかしている気がする…


買い物していたら、値引きシールが貼られた華星のステッカー入りのお菓子が目に入った。


お母さんが喜ぶかな…たまには贅沢しようってカゴに入れた。


買い物帰り、歩きながら値引きシールを剥がすのに夢中になっていた私は……



「危ないっ!」



男の人の声が聞こえて、背中を押された。


直後、トラックのクラクションと何かが潰れるような音が後ろから聞こえた。



「えっ………」



振り返って見たそこには、赤い水のような液体と、それを引き摺ったような後……そして、赤く光っている歩行者信号機。


少し離れたところに停まるトラックと……


グチャグチャになった何か。


それを見た直後、私は別の車に撥ね飛ばされた…


遠ざかる意識の中で…


ああ、お母さんが独りになっちゃうななんて思いながら…


せっかく助けてくれた男の人にごめんなさいって思いながら…


私は死んだ…

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