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四話 やらかし10歳期

一番上はゴリラ(長兄)、一番下は味噌っカス()。間に挟まれインテリ眼鏡(次兄)…なんなんこの三兄弟である。


そんな長兄、アーガイル・ルクシール・カノーラというゴリラが結婚する事になった…18歳での結婚である。ちょっと早くね?


家族を顧みないゴリラが結婚とかなんてドッキリマルヒ報告なんだよと思ったが、どうやら事実みたいだ。しかも、相手は隣領の子爵令嬢…え、何処から攫ってきたん?


そう言ったら斬りかかられた。ふははは、最近勝率七割強の私に勝てるとお思いかね。当然負けた…クソ、島田兵がっ!


義姉になる子爵令嬢、サリィ・ワークハルス女史は当然貴族学園卒業の18歳……え、その歳で婚約者居なかったのと問いたらゴリラから追撃された。だが、踏み込みが足りんっ!


が、ミュゼットから「にいちゃま、女の敵」と言われた…精神ポイントが大きく削られた。メルモニカからも「にーさま、最低」と言われた…気力も大きく削られた。行動不能…


サリィ女史は卒業して王立のとある機関に就職。辺境伯の癖に次期当主を貴族学園に送らないクソ親父に国王から「てめぇ、真面目に統治する気あんのか、ゴラァ(意訳)」という手紙を配達する役目を担い辺境伯領都にやってくる途中でゴブリン集団に囲まれたそうな。そこへゴリラが乱入…ゴリラの慰みものになったとか。え、違う?


互いに一目惚れして、そのままプロポーズ…ゴリラ語で? だから踏み込みが足りんっ!


まあ、国王仕込んだマッチポンプにしか見えんわなぁ…才女送るから尻に敷かれてきちんと統治しろよ的な。きっと、とある機関の正体は結婚斡旋所だったんだ。怖っ…


そんな傀儡になるのか、ゴリラ…そして義姉恐ろしい子っ!


そんな事言ったら三日間謹慎していろと言われた…解せぬ。というか、サリィ女史はニコニコ笑っているだけだったし、設定資料集にもそう書いてあったもん。味噌っカス悪くないもん。




あっという間に、ゴリラ夫妻の結婚式である。王国の西の果ての果て、辺境な辺境伯領にまでやってくるには1ヶ月以上かかる。だが、腐り切っても辺境伯。それも次期当主の結婚ともあれば、王家は元より各家庭から誰かは出席するのがマナーらしい。家庭て…


まあ、寄り子なら当主が来るだろうけど代理出席とかは当然あるもので、そんなに高貴な人は来ない…王家除く。でも、お前は大人しく他人のフリしていてくれ、頼むからと言われた味噌っカス…ミュゼットやメルモニカはクソ親父たちがきちんと見守ってくれるから、ロリコンとかの対策は信じてくれとも言われた。信用無いなぁ…


まあ、ゴリラの折角の晴れ舞台だ。家庭板でよく見た不幸な結婚式にする必要も無い…俺がしたら内臓とか売り飛ばされて慰謝料の足しにされるわ。


というわけで、存在感消してガーデンパーティーの結婚式を遠目で見てるわけです。結婚式かぁ…前世でも親類の結婚式には何回か出たが、どれも爆発しろとしか思えなかったなぁ。


まあ、次は次兄の番だろうし、その次は……うん、考えないようにしよう。兄ちゃん涙が出てくる。


こういう結婚式は近親者や幼い子連れの家族除いて、未成年は参加しないものである。ミュゼットやメルモニカに近づく害虫無し。というか、クソ親父の顔面怖くて普通の子は近づけない。


と、果敢に近づき綺麗なカーテシーをする女の子が居た。ふむ、出来るな…だが、綺麗過ぎて違和感ある。さて、あんなキャラ居たっけかな?


その後も、その女の子から目が離せなかった…恋ではない。可愛らしい水色の髪した子だけど。


その子が不意に父親らしき人物から離れ、中庭へと移動してきた。俺が隠れている茂みの方へ…



「貴様、先程から何をしている。間者か…処すぞ?」


「なんなん、この子…」



いきなり声掛けられたと思ったら処すとか言われた。処す子ちゃんじゃあるまいし………もしかして、本物の処す子ちゃんじゃね?


通称・処す子ちゃん。華星の数少ないバッドエンドに登場する名も無きキャラクターである。CG鑑賞も出来ないが一瞬だけ血飛沫の後に映し出されるストールマフラーで口元を隠した美少女である。


ただ一言、「処す……」と言う台詞のみ与えられ、声優も不明。王子やその側近を唆し、国の安寧を脅かしたとしてミュゼットをミュ/ゼットする国王直属の暗殺部隊という設定のみ語られたキャラである。



「え、暗殺に来たの。まさか、ミュゼットを?」


「貴様っ、何故暗殺の事を!」



いきなり、スカートの中からコンバットナイフを取り出して襲い掛かってきた…水色シマシマだった。


とりあえず、ヒラリヒラリと舞い遊ぶ。閃きである…ゴリラの攻撃に比べたら可愛いものだ。この程度で暗殺しようなど片腹痛い…ん、切れてるわ。



「何なんだ、貴様はっ…」


「俺か、俺は味噌っカスだっ! 水色縞パン処す子ちゃんっ!」


「………は?」



何故、ナイフ落とすよ処す子ちゃん。とっとこ逃げるよ処す子ちゃん…何故逃げたし。戦略的撤退か?


まだまだだなぁ…あんなので暗殺の仕事大丈夫か、問題だ。


というか、ミュゼット何もしてないから暗殺対象はクソ親父かゴリラだったと思うに至る。が、あんなの処分出来るわけないわな…原作でも健在だから下見に来たんだろうと思う。優秀な女史を虐げていないかとか色々…


という事にしておこう。強く生きろよ、処す子ちゃん。腹の傷直しとこう………あれ、一張羅破いたからしばかれるルートじゃね?

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