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三十九話 やらかし22歳期・隊長編⑧

メルが来て数日。付随の騎士団には士爵領の他の村への調査やクソ親父たちへの愚痴を書き殴った手紙を届けてさせたり、使用人には被害女性のメンタルケアや子どもらへの炊き出しを頼んだり忙しい日々を過ごした。


単に暇つぶしとも言う。何にも無いんだもん、ここ…特産品とかも無いし、炊き出しなんて持ち出しよ。騎士団に買い出しさせる程よ、この村…ドラゴンとか来て滅ぼされるんじゃなかろうか。そのドラゴンと協力して魔貴族倒すねん……居らんけど。


そんなド田舎っぺの更に奥、そこに修道院があった。村に面会許可の手紙が届き、ミュゼットに会えるのだ…数日早かったら村長とかに利用されて大変な事になってたかもしれん。そういう調査もしなきゃならんなー。


修道院…中に蛇の魔物とか居るのかな。オルガン弾いたら奥に部屋沢山あるのかな、魔王像あるのかなワクワクとやってきました。木刀装備で(オーバーキル)


そんな事、全然無かった。というか、年老いたシスターとミュゼットしか居なかった…私も娑婆に連れてってって元悪役令嬢とか居たら連れてってやるつもりだったのに。ミュゼットのライバルとかあるやろ…



「小兄様、何か変な事を考えてませんか?」


「追放された他の悪役令嬢とかあるやん。最初は意地悪キャラだけど仲良くなるパターンとかあるやろ…」


「小兄様、小説の読み過ぎですわ…」



ミュゼットが酷い。まあ、そういう時期もあるよね、今年は悪役令嬢不作だったんだね。ミュゼットは悪役じゃないけど。悪役令嬢不作ってなんよ?


それにしても、修道女姿も似合ってる…ミュゼットは何着ても可愛いなぁ(兄バカ)


このままここで結婚しようか…なんて考えていると、不意に手紙を突き付けられる。



「俗世から離れていても、皆様から色々と便りが届くものです。上手く動けと言いましたよね?」


「……王子の件は悪かったと思う。だが、口を塞がなきゃ戦争だった」


「その事は…まあ仕方なく思いますわ。ミスティア様たちの事も小兄様にしては最良の行動でした。ですが…どうして子どもと一緒に入浴しているのかですわ」



やっぱりそっちかー。責められると思った…でも、一緒に風呂入った回数ならミュゼットの方が上よ。メルの母ちゃん来るまで風呂入れてたの俺よ…と言ったら黙った。顔真っ赤にして…


まあ、二歳の頃の事なんて覚えているわけないか。何なら、オシメ替えたのも俺よ。そこまで言ったら手紙投げつけられた。



「も、もういいですわっ…出る支度をしますから待っていてくださいっ!」


「あいあい」



そう言って部屋を出て行った。修道女の服貰えるんかなー、返却するんかなーとかくだらない事考えて待つ事しばし……………女の子の支度というものは長いものである。木刀の手入れでもしよう。


ぴょんぴょん丸(少し左曲がり)の手入れも終わって、ようやくミュゼットが制服姿で現れた…修道女の服は返却したそうな。売ってくれないのかな…着るのかとミュゼットに白い目で見られた。ちゃうねん、着てくれやと言ったら余計白い目で見られた。男のロマン理解してくれへん、ぐっすん…


シスターにお礼金を渡して修道院を出た。素寒貧よ、俺…また見栄張りすぎた。



「小兄様、いくら渡したんですか?」


「金貨百枚」


「……バカですか」


「バカで結構…ほら、鞄持つから貸せ」



ミュゼットの手から鞄を受け取る。ぎっしり詰まってるなぁ…重い。それと、後で手を癒やしてやるか。あかぎれとかしてるじゃんか…無理して、もう。


さて、帰りますか………あれ、帰っても王都に俺らの家無くね?

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