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三十六話 やらかし22歳期・隊長編⑤

王子の葬儀はそのまま秘密裏に直葬直火焼きだった。王族の墓にも入らず罪人の墓地へ打ち捨てられた…まあ、少し違えばミュゼットやミスティア嬢がそうなっていたかもしれないと思うと同情の余地無し。


呆ける国王を尻目に、一時的に国王代理となったマリアベル様が取り仕切った。ついでにミュゼットに対する王子命の撤回を行った。計画通り……ではない。三姉妹が「どうしてこうなった」という目で見てくるが、俺がやらなきゃ戦争だったとテレサベル様が説明してくれる。



「恨むのなら、エルヴァカの愚かさを恨みなさい。貴族牢に入れられたその意味を理解しようせず、弾劾裁判にかけられたその理由を把握しようとせず、傲慢なままの愚か者として最後まで己の行いを正しいものと思い込み改めもしなかった末路がこれです」


「アーくん。やった本人が言わない」


「だって事実だってばよ」



ミリスベル様が怒ってくるが、踏み止まれてはいる。絶縁状送った時点でこうなる事は覚悟の上だとも聞いている。とはいえ、思う所はあるのだろう…恨んでくれて構わないがな。


これにて一件落着………でいいじゃん。あそこであんな不用意な発言したバカ王子が悪い。俺、功労者よ。国を救った英雄よ…とまでは言わないが、妹の友人救う為なら最初からこの程度覚悟してたし、逃げる準備だって整えてた。


俺を逃して辺境伯領独立、テレサベル様のクロスリンデ王国と結託して潰されるのとどちらが良かったかと国王に説いたら渋々受け入れられた。


元はクソ親父になんか教育係させた国王の責任。おそらく、原作ではミュゼット探しの方が大切でクソ親父は王命には従わなかったはずであるし…確実に人選失敗なのよ。


任命責任である。これで連座制適応しようものならどうなるかも説いた。俺は騎士としての職務全うしただけだがね。それを処罰しようものなら騎士団が黙っていない…王宮や近衛だけでなく、全領の騎士が。さすがにバカ王子一人の為にそこまでする国王ではなかった。


対外的には王子は病死、ヴォイドくんが王位継承権一位を獲得である。マリアベル様は放棄するんだとさ……まだ俺返事してないんだけど、他に良い人見つけたんかしら?(すっとぼけ)




とはいえ結局、残務処理やら事情聴取やらで証言取るのと同じくらい時間を要した。また、王子派の貴族連中の対処など色々あった。そこは滞在していたテレサベル様の尽力があった。


具体的には王子派をクロスリンデ王国に対する戦争推進派認定して…後は察しろである。権力者怖い…饅頭も怖い。


まあ、その権力者の介添えもありミスティア嬢とエルミディア嬢は婚約に関しては円満解放。むしろ、二人が抜けると王子が行う業務が全く進まなくなる事も発覚…王子一行、やらなきゃいけない職務二人に丸投げしてた。後の三人の内二人は明らかに脳筋だし、もう一人は聖女活動あるし…大丈夫じゃないな、この国。


他にも色々と問題あるけど、まずはミュゼットやメルを迎えに行ってからだ。ついでにクソ親父が何か贈ってきてた。辺境伯領の名誉士爵の地位と騎士領だと……


要らんとも思うが見とく必要はある…ミュゼットの居る修道院のある土地だし。辺境のかなり辺境ではあるが。


そんなこんなで出立の日。騎士団にはちゃんとミュゼットの修道院退院の王命を発布した書状を持参する重要任務としての業務として認めさせた。騎士団長に「元はと言えばお前のチンパンジーの所為だろうが(火の球ストレート)」と言って…引き継ぎ後、騎士団長は騎士学校に左遷されるとか知らん。



「もし半年経っても戻らなければ全員で押し掛けますので」


「マリアベル様、冗談でも笑えません…マリアベル様が動けば護衛含めて大所帯になります。侵攻と思われても仕方ないかと…」


「侵攻ですよ。アレクシール様を捕らえたと判断するのですから」



怖い、この子……権力持たせちゃダメなタイプだわ。さすがバカ王子と濃い血の繋がりあるわ。むしろ、テレサベル様寄りか…ケバい化粧は似合わないけど(不敬罪)


というわけで、皆に見送られながら馬に跨り王都を出発するのである。ハイヨー、ツインドライブ師匠。師匠までが名前の俺の愛駄馬である…一定時間三倍のスピードを出せる逃げ馬だが、その後長期休憩が必要な名の通りの駄馬である。(どうでもいい情報)

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