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三十三話 やらかし22歳期・隊長編②

アリスベル様のところに負け犬婚約者たちを保護を依頼して数時間後、無事五名の負け犬を保護したとの連絡が入った。間一髪で王宮からの使者と入れ違いになったとも…つまり、国王は敵だ。共に畳んでも良いとミリスベル様も判断した。


国王はエルヴァカには甘い…まあ、そうだろうなとは思っていた。三回も騒動起こすような奴を矯正しなかったのだから…揉み消される前に動かなければならない。


まあ、さすがにフィネット公爵家に踏み込むには色々手続き取らないといけない。更にマリアベル様も公爵家に家出して滞在する事となり、一時的に離宮扱い出来るから強硬手段に出ない限りは安心だろう。おそらく…


負け犬婚約者たちは事情をきっちり把握しているが夜間行動という事もあり、休んで落ち着いてからの聞き取りという事にした。


朝を迎え、レシアとセリーヌが帰ってきたのでフィネット公爵家にていつものように集まる事となった。



「アレクシール卿…どうしてアタシには連絡くれなかったんですかっ!?」


「ごめんて…」


「クリスティーナ。子爵家に対して夜間、使者を送っても貴女に何が出来ましたか…ご両親に外出を拒まれるのが目に見えて居たからこそ私も朝になってから使者を出したのです。決して除け者にしようなどとは思っていません。むしろ、余計な事に時間を割いていれば貴女の存在そのものが疎まれていたかもしれませんよ?」



アリスベル様の言い分はもっともなのだが、友人がそんな目にあっているのに何も出来なかった悔しさは分かる。分かるからこそ、頭を撫でて慰める。


まあ、クリスティーナ嬢には頑張ってもらわないといけない…実家も含めて。目指すはバカ王子一行の没落なのだから。富豪令息の没落には商会の手が必要だし…(腹黒)


まず、レシアにはミリスベル様の貴族学園時代の制服を着てミリスベル様と貴族学園へ赴いて昨日の出来事の情報収集…制服が臭いとか言っていたが、プレイ結果だ我慢しろと言ったら酒瓶で殴られた…無論、絡み酒夫人に。え、ゲロの臭い放置してたわけじゃないだろ…ないよね?


セリーヌとクリスティーナ嬢には公爵家に寝泊まりしてもらって護衛。幸い、クリスティーナ嬢は騎士学校も長期休みが近いし、アリスベル様が専属の護衛依頼という形で騎士学校と掛け合うので安心出来る。セリーヌの申請もしないとな…


アリスベル様は負け犬婚約者たちの両親との折衝役を。マリアベル様とシルディナ嬢は本人たちとの交友を深めつつも情報の取りまとめを。


フィネット公爵やアスラーンは王宮勤めだから王宮の変化を確認。で、俺は……



「カノーラ卿。貴方は来たる日が来るまでここで身を隠しておいてください」


「……何故に?」


「辺境伯領の人間が居るという時点で見張られる可能性があります。ましてや、貴方はミュゼット様の兄…目立つような行動をしていれば王宮は貴方に接触し、敵対するならば排除しようとするでしょう。おそらく、貴方は容易くその敵対者を排除出来る…そして、その時点で貴方とその関係者は国敵となります。場合によってはここに居る私たちも貴方と敵対する可能性がある…その時、貴方は斬れますか?」


「………分かった。俺はミュゼットたちと一緒に故郷へ帰った。その方が都合良く事が運ぶんだな。但し、全員危ない橋を渡らせるつもりは無い。危険を感じた時には手を引いてくれ」



ミュゼットやメルの言っていた、上手く動くという事がやっと分かった気がする。下手をすれば俺は辺境伯領に帰れるが、皆とは二度と会えないどころか次は戦場で会うかもしれないような事態になる…敵として。


その手のゲームは好きだけど、大抵元味方ブッコロすのが好き…だが、ゲームと現実は違う。レシアを、セリーヌを、クリスティーナ嬢を、マリアベル様を、シルディナ嬢を……無理だろ。それなら全員連れ去るわ。



「但し、相手が強硬手段に出てきた時は別だ。その時はいくら国王といえど首を取りに行く…その時、俺を止めたいなら殺してでも止めてくれ…信頼する人たちに、好きな奴に殺されるなら本望だ」


「アーくん。その時は止めないよ。むしろ、その時はこの国の終わり……アーくんには王位に着いてもらうからね」


「なんでやねん…」



何か、話がだんだん大きくなりすぎている気するんだけど…落とし所あるのか、これ?

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