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三十二話 やらかし22歳期・隊長編①

日付が変わる前に二人は旅立った。手作りのチョコクッキーだけを残して…そういえば、日付変わって今日は俺のアヘ顔ダブルピースの誕生日…誰が男のアヘ顔なんて見たいかである。


ミュゼットがしたいのはバカ王子一行の地位失墜と表舞台からの退場と超解釈したワイ…そしてクソ親父。二人と入れ違いで帰って来たかと思えば、慌ただしく「緊急事態宣言」しやがった。


緊急事態宣言…早い話が辺境伯領の魔物のスタンピードとか切迫した事態であり、使用人を含めた辺境伯領民の王都早期退去命令である。おそらく…よく知らんし。


今回の場合、ミュゼットの事に関してのバカ王子の敵対行為に対する報復だ。クソ親父の場合は王宮に帰ってきたバカ王子を殴り倒し泣くまで殴るのを止めなかった上、教育係を辞退したとか……しかも、国王認めている行動。そのまま王命出させて解決すれば良いのに。


邸宅から即完全撤退を決め、使用人たちと共に深夜にも関わらずミュゼットたちを追いかけて総移動。邸宅の即時売却も決め、残された俺は宿無し…ミリスベル様のところに厄介となる、というか押し掛けた。


このままだと、ミュゼットたちが危惧していた辺境伯領独立。王国崩壊ルート待った無しである(そんなの聞いた覚え無い)


まあ、クソ親父ならやりかねん。むしろ、そうなった場合には俺も覚悟決めねばならない…というか、元を正せばクソ親父が教育しきれなかった所為だろうが。


とはいえ、学園祭、クリパ、卒業パーティーと三回もやらかしていれば国王陛下もブチギレだそうでバカ王子一行は貴族牢に放り込まれているし、アリスベル様たち三人の姉妹からもバカ王子との絶縁状が既に送付済みだとか。もう詰んでね?


とはいえ、王子命ってのがややこしい。以前、マリアベル様が出した王女命の時は明らかな証拠と自白があったから正当性を主張出来た。


が、今回は完全な言い掛かりかつ被害妄想…その証明により不当なものと証明しなければいけないのだ。でなければミュゼットの潔白が証明出来ない。


だからこそ、ミュゼットは修道院へ避難した。でなければ王子命を守らなかったとして処刑されかねないからだ。つまり、王子を処してもミュゼットの潔白は証明されないし信用回復にはならないのである……



「つまり、王子処刑しても良いって事か」


「アーくん。エルヴァカは一応まだ王位継承権第一位です。簡単には処刑も幽閉も出来ませんよ」


「姉にバカ扱いされてて草」


「もう縁は切りましたので」



ミリスベル様たちには今回も世話になった。手紙が届いた時点ですぐレシアとセリーヌに連絡し隣街までミュゼットたちの護衛を依頼してくれた。お陰でクソ親父たちと合流して安全に辺境伯領まで帰れるはずだ。



「礼は、いつものように酒で良いか?」


「いいえ。今回ばかりは元王族として多少なりとも責任を感じていますし不要ですよ。ただ…早急に解決しないと国が割れます。元とはいえ愚弟のした事は、将来の王に対してまともに意見してくれる忠臣を処分したという事ですから。辺境伯は元より、心ある領主たちは国を、王家を見限り独立するでしょう」


「…世は戦国時代に突入ってか…」



まあ、クソ親父が独立国を宣言すればそれに追随する連中は一定数居るか。というか、マジ王国崩壊じゃん…


その原因となるバカ王子と側近の処刑は致し方ないとしても………って、待て。



「絡み酒夫人。今すぐバカ王子一行の婚約者たちを保護してくれ。彼女たちは直接の加害者じゃない。重要な証言をしてくれる可能性がある。匿われたら話を聞けなくなるばかりか秘密裏に処理される可能性だってある」


「誰が絡み酒夫人ですか…でも、確かにそうですね。責任を問われれば止められなかったと何らかの処分を受けかねません…お姉様の方から働きかけていただきましょう。公爵夫人ならば権力での保護も可能でしょう」



この時ばかりはミリスベル様たちとの繋がりがあって良かったと思う。ミュゼットたちを虐めたならまだしも、そんな話も聞いてない原作以上の負け犬確定婚約者たちが大した罪でもないのに処刑とかされるのは憐れで仕方ないと思ってしまったのだ。


思ってしまったのだ…思わなきゃ良かったと思うのは後々になってからだったりするが、まあ、それはしゃあない。赤い水性…水洗い推奨。

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