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二十九話 やらかし21歳期・隊長編⑧

秋が終わり、冬が始まる…そう考えると夏休みや新年の始まりが休みの第六分隊は楽なものだ。年末の取り締まり強化期間除く。


10月のドラフト会議みたいなもんで首位セリーヌを死守。他にも引き抜きの声があったが、本人希望もあり正式に第六分隊の所属となった。


まあ、本人は原作通り近衛に行きたいと言っているが…マリアベル様の警護したいんだと。バカ王子の婚約者、公爵令嬢ミスティア・レイリック嬢付きになっていじめの主犯格にされる未来の既定路線しか見えないが…


どう考えても、そのパターンに行き当たりそうにない。上司の妹かつ友人をいじめる姿想像出来ない。後、ミスティア嬢わりと良い子みたいだし。


というのも、あの一件後ミスティア嬢をはじめ、バカ王子一行の各婚約者から丁寧なお礼状が届いた。何でも、バカ王子たちの瑕疵を証明するには俺の抗議文とかが役に立ったようで…


まあ、一介の騎士とはいえ腐り切っても辺境伯三男の味噌っカスを「下郎」扱いした辺りはマリアベル様やアリスベル様、絡み酒夫人もフンガー(憤慨)してくれたそうな。また酒とかの出費が増えたのは言うまでもない。フンガー…


俺、怒らせたら怖いんだぞって分かってないのよね、あいつら。俺、公爵殺しよ…権力にはとことん歯向かう愚か者よ。


分かっている製造元や婚約者の家族からはお詫びやお礼の品として色々届いた……酒は絡み酒夫人行き。お菓子はミュゼットたちに配り、食品類や日用品類は使用人に渡した。お礼状書くのめんどくさい…


後、聖典とか送ってくんな聖女家族。一番嬉しい贈り物はシェリチェ嬢が選んだであろうたこ焼き用フライパンでした…今夜はタコパだっ! ソース売って無いけど、タコ流通無いけど。あかんやん…




タコパは無かったけど、クリスマスは今年もやってくる。この、中世だけどファンタジーものの世界でバレンタインとかクリスマスとかゴールデンウィークとかある不思議。大晦日やら元旦やらある設定甘々の世界観…嫌いじゃないわっ!


王宮でクリパやるらしく、バカ王子の名前で招待状が届いたけど、下郎扱いした事を詫びる手紙も届かぬようではいかん。誰が行くか、ボケェ…


というか、フィネット公爵家のパーティーの日と同日なんよ。先に招待されているし、また王子の無茶振りなんだろうなーと予測。姉と弟で対立するような事すんなや。


アリスベル様にも確認したし、マリアベル様も公爵家の方に出るという…どっちに行くかは分かりきってますね。クソ親父にもチクったし、丁寧に「誰が下郎呼ばわりした奴のパーティーなんか行くか。ゴラァ(直球)」とお手紙書いた。今までで一番綺麗な文字で書いた、うん。


そんなわけで、クリスマス当日である。前々から招待されていたので休みを組めた。セリーヌも……レシアとセリーヌはガッチガチに緊張するのが思い浮かぶ。まあ、フォローしなきゃな…



「小兄様、お待たせいたしましたわ」


「アレク兄様…どうですか?」


「あ、ああ……良いんじゃないか…」



それぞれAラインのドレスにファーを身につけている。


ミュゼットはパールホワイトのドレスに薄紫のファー、メルは薄ピンクのドレスに白色のファーを身に纏っている…チラチラ見える胸元エッロ。うなじとかエッロ…


あかん、このまま君らだけを奪い去りたい。部屋に連れ込んでメチャクチャにしたい。ナイトソード起っきしそう(もちつけ)



「小兄様…顔真っ赤ですわよ…」


「アレク兄様も、スーツ姿似合ってますよ…」


「そ、そうか?」



騎士の正装で出ようとしたが、二人が「さすがにそれは…」と言われたのでドレスを新調する二人と一緒に専門店へ行った。


オーダーメイドで作らされた…後、採寸でひん剥かれた。なるほど、そりゃ荷物持ちも断るわけだわ。二人にジロジロ見られて何か目覚めそうだった…


結果、高い買い物になった。クリスマスプレゼントとかも沢山買ったから俺の残高はもうゼロよ…気を利かせ過ぎた。


と、迎えの公爵家の馬車がどうやら到着したようで使用人が慌ただしくなる。



「では、参りましょうか。小兄様?」


「アレク兄様、エスコートよろしくお願いしますね」


「あ、ああ…」



だいぶ昔、インテリ眼鏡の結婚式の時のように俺の左右に陣取りつつ、二人とも腕を絡ませ当ててくる……あかん、次から絶対ファールカップ当てなきゃ無理。


天国という名の地獄、耐えられる自信無い。ましてや性の6時間も控えている……無理かもしれへん。

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