二百六十八話 やらかし新婚編8
異世界転生ものの定番といえば何か…そうだね、プロテインだね(違う)
前の世界の記憶や知識を頼りに稼いで無双して原作ブレイカーをする……まんま俺がやってる事である。Newアレクブレイカー(投げ捨て価格)
その知識をフル活用しているのがクリスの実家である。まあ、商会なんて紹介してくれる人居なかったのよ…騎士学校も騎士団も脳筋ばかりなり。
そんなトリスタン商会…とはいえ、あくまでも俺は元一般ブラック企業戦士であり開発者ではない。だから、口先だけで想像通りのものが出来るとは限らないんだ。むしろ、すぐ出来るなら誰かが既にやってる。
今回の発明品は……こちら。なお、その実験はいつもクリスとやっているのである…
「アレクシール卿……お腹がとても痛いです…」
「あんなに蜜を垂らして喜んでたじゃないか。それにまだいける、沢山欲しいって言ったのはクリスだぞ」
「それはそうですけど…」
だから忠告したのだ。俺は嫁が喜ぶなら何度でもする男………え、ふわふわかき氷器の話だよ?(その手の方は既に実用化済み)
夏だから冷たいものが食べたいという要望に応えるのが夫の役目……冷蔵庫があるんだから氷だって作れる。なお、魔法も電気も無いのになんで冷蔵庫が動くのかはよく分からん。
とはいえ、かき氷が食えるならそれでいい……というか、アイスクリームは太るからと沢山食べない嫁たちもこれならニッコリするだろう。おそらく…アイスクリーム頭痛とか腹下し待ったなしだけど。
「これで天然氷があれば頭痛しないんだけどなぁ…」
「アレクシール卿…何を目指しているんですか。というか、確かに食べやすかったですけど既存のものもありますし…」
「別にこれで金儲け出来るなんて思ってないさ。物珍しさで一時期流行っても…」
かき氷はカップで真ん中にアイス入ってる安いのが好み。かき氷に時給並みの金出して食べるような高級取りじゃなかった前世…
まあ、フルーツとかの付加価値つけて商売するなら勝手にしてくれればいいが、今年の夏も暑い。ふわふわかき氷はアイスクリーム頭痛しにくいし、単にシロップとかミルクとかあれば削るだけで食べられるわけよ…
夏バテとかにはいいわけだし、そもそも熱中症対策としていい。簡単に安価で食える…すなわち、貧乏でも子どもでもこれがあればという話である。
「つまり、孤児院とかへの寄付目的で作るんですねっ…さすがはアレクシール卿ですっ」
「そんな高尚なもんじゃないんだけどなー…」
「そんな事言って、沢山作るからいつものように工員の人たちだって導入しますし…」
工員…すなわち、貧民街の連中である。むしろ、スタンティーナ商会のお陰で貧民なんてもう居ない。心配ゴム用特需ですわ…
まあ、それはどうでもいい。クリスの両親が良心的なだけだし。薄利多売で儲けがあるのか不安だが…将来の再就職先が潰れたら路頭に迷うヒモ大公爵になるんだぞ。
前にそう伝えたら、金を献上しようとされた…アイデア料だけで十分だと言っておろうに(商品の一部利益はジャ◯ネットアレクが負担した事にして孤児院とかに分配してます)
なお、王都だけでなく一部を除く国内各地に支店があるから売上は凄いらしいとのクリス談。無論、除かれた一部は怨敵が居た地であるが、孤児院には寄付しているとか…。水面下でその土地買ってアレクにやろうって動いてる一派が居るらしいが俺は要らん。
とりあえず、もう少しふわふわタイム出来るように角度調整が必要なのである。後、抹茶とあんこと練乳も……ソフトクリームもあれば最高。目指せ、コ×ダ珈琲店である(余計な事を言った結果、バナナ組が店を開き始めたのはご愛嬌である。なお、俺はコーヒー飲めない)




