二十五話 やらかし21歳期・隊長編④
出勤期間も終わり、生活にゆとりが出来た。以前の出来事でメルモニカ…メルとは昔のように話せる事も多くなった…
それに比べて、ミュゼットとは相変わらずだ。デレが無い。そんなので誰を攻略しているのか…まあ、ロデルルートは無いな。シェリチェ嬢が騎士団の練習場でチンパン調教しているのよく見るし…
原作ストーリーからかなり逸脱している。力関係逆転している…なぁんか、他の連中に関しても気になる所である。
近親者に聞くのか一番か。というわけで、アポ取ってみる…アッポー。
いつも通りの場所でマリアベル様と面談である…即返事来たわ。さすが出来る子…
「お兄様たちですか……正直、国の将来を任せるには些か頼りないと思います。いえ、正直に言いましょう…全くダメです。カノーラ辺境伯の教育に逆らうようでは良い統治が出来ないと思います」
「そこまでか…」
「残念ながら…」
マリアベル様の忌憚のない発言…どうやら、原作以上にやばたにえんらしい。もしかして、親父が教育係になった悪影響…もしかしなくてもそうだわ。
まあ、元が元であるので仕方ない。婚約者捨ててぽっと出のヒロインに靡くような性欲が脳直結の猿か…
「ミュゼット様が学園でも苦言を呈しているそうなのですが…改善の兆しも無く。致し方ないと諦めています…」
「……ん? ミュゼットと知り合いなのか?」
「あ……えっと、その………レシア様にご紹介いただきまして…」
レシアよ、さすがに案内する所無くなったからって公爵邸に行くか? マリアベル様は最近教育が忙しいからと炊き出しにも出れないし、今日だって無理言って会えるよう取り付けたというのに…というか…
「シルディナ嬢は…怖くなかったか。ミュゼットとメル…メルモニカは」
「とても優しい人たちでした。お姉様と呼ばせていただいてます…」
「あー…それなら良いんだけど」
さすがに俺に対するような毒を吐くが如くの言動は無いか。あったとしても、それはそれでご褒美です(やっぱり我ながら気持ち悪い)
まあ、コニーちゃん様々である。年下の世話するのは慣れてるもんな…仲良き事は美しきかな。それが姉妹的なものなら尚更。イナズマキックされない限りはヨシ。
というか、ミュゼットは学園の交友関係大丈夫なのかと…まあ、メルが居るからという事なのか、あるいはストーリーの強制力で居ないのか。原作ではメル以外友達居なかった半ぼっちだったのよ。半ぼっちって何ぞ?
そういう意味ではレシアやマリアベル様、シルディナ嬢と仲良くなるのは良いんだけど……きっと知らない所でセリーヌやクリスティーナ嬢とも知り合っていると思う。後、絡み酒夫人…
「…俺の悪口でも言って盛り上がっているとか?」
「まさか…アレクシール様の話題で盛り上がる事はありますが、悪口などは………」
「…どうしてそこで目を逸らすんですか、マリアベル様?」
膝の上に乗っているシルディナ嬢も戸惑っている様子が伺える……泣いていいかな、いいよね、ダバー。酷いやマイロード。
「ち、違いますのよ。決して悪口で盛り上がるなどというような事はありません。ただ、幼い頃のお話など…」
「…不敬ですが、マリアベル様。年頃の乙女ならば私のような粗忽者の話よりも、もっとこう…恋の話などで盛り上がるべきではと思うのですが…」
「そ、そうですわね。次からそうします」
口調乱れてんなぁ…まあいいよ。共通の話題なんて今は俺くらいしかないだろうから…仲良くなってくれるならダシに使われても僕は満足さ(サクタロー諦めの目)
というか、この後会う予定があるんだとか。同席を願い出たが、知らない令嬢も参加するのでと断られた。まあ、女子会に男が参加するのもなぁ…うっ、女装の嫌な思い出が…
ミュゼットとの仲を取り持ってもらえたら一番だが、せめて好きな男の事だけでも出来たら聞き出しておいて欲しいと愚痴っておいた。
今のままだと猿と結婚するので、クソ親父に相手を今まで以上に鍛えてもらわないといけないわけだし。
未来の義弟よ、君の将来は今の努力にかかっているんだぞ。このままではキングコングだけじゃなくゴリラやインテリ眼鏡、味噌っカスも認めないからなっ!
…と意気込んでみる。帰って素振りでもしよう(ヤる気満々)




