二百四十八話 やらかし結婚式編3
そして、時間がきた……が、遅れて始まるのは定番。むしろ、来賓が落ち着くまで何分かかる事やら。
その間に見せ物となる花婿の俺…ヴァージンロードを歩くのは花嫁とその親(一部除く)の特権である。俺は待ちガイルスタイル。つまり、嫁たちが来るまでは「コイツ、嫁に逃げられたんだプギャー」って思われるわ……逃げてないよね?
客席には見せ物パンダアレクを見たがる国内外の貴賓と花嫁家族ら多数…何人かは睨んできてる。残念ながら、もう花嫁たちは俺のもんだ。なお、異議がある者は後で沈黙を持って答える場面にて強制沈黙させられるのである(バナナ組、天井に大量発生中)
この結婚式、ほぼ対外的に大公爵の誕生と沢山の嫁たちのお披露目だけなのである…俺はそれで構わないが、嫁たちはそれでいいのだろうかとも思うが、当の本人たちは準備する中で理想と現実(主に準備の大変さ)にギャップ感じて諦観した。そりゃあ、一年くらいかけてするものを一月足らずですればそうなるわ…
それに多人数である。健やかなる時とか云々を全員分やってたらそれだけで小一時間…だから沈黙方式に変更(そうでなくとも闖入者が次々と来る可能性過多)
誓いのキスさえ省略する事になったわけだし…まあ、それは仕方ない。我慢できないアレクだもの。キスで終わるわけないケダモノだもの。可愛く愛しい嫁たちが一世一代の晴れ姿で目の前に居るのに据え膳食い散らかすに決まってるやん…
とか思っている間に新婦入場。ますはミュゼットがキングコングを…エスコートしろよ、キングコング。スタスタ歩くミュゼットについて行けてない…というか、ミュゼットもスタスタ歩くのはどうかと思う。
何かしらあったのだろうから仕方ないが、ミュゼットはキングコングのエスコートを拒んでいる様子……まあ、ミュゼットは昔からキングコングとか嫌いだったもんね。育児放棄よくない…
それはともかく、ミュゼットは長い髪を結い上げて化粧もバッチリ。絶世の美女というか母親の面影たっぷりの晴れ姿……といっても、その面影も薄れているわけだし、俺アレクだけどアレクじゃないし…(母親の記憶は既に彼方)
そんな愚問はさておき、普段はツンデレしてるミュゼットでこの破壊力である(おっきしないように対策済み)……ヒロイン力強いのは元々だけど、中身がロクデナシ転生脳だったら逆ハーレムして傾国させてたのは間違いない(傾国させかけてる奴が語る)
現に、参列者の何人かが歯噛みしてる……他国の王子とか高位貴族のボンボン連中である。おまいら婚約者居ないのかと…居ても抑え切れない奴ら居たけど(首無し王子以下数名)
そんなジャガイモたちはともかく、ミュゼットである。ベールガールのスピカちゃんは必死についてくついてくしてる…不憫な。
それだけ苛立ってるんだろうなぁ…母親にそっくりとかキングコング言ったんだろう。今まで母親の話なぞロクにしなかったくせに。愛した女と似てるのならもっと可愛がれよとか思ってるんだろうなぁ、内心。ミュゼット、親からの愛に飢えてたもん…その分注いだ覚えある。今も注がないと嫉妬するくらいには…
「小兄様、早く手を取ってください」
「…ああ」
色々と考えてたらもう俺の目の前まで来てた。もっとこう、感慨深い歩き方とかあるやろ……無理か。俺じゃなくキングコングがエスコートしただけマシか。シスコンだもの、あれく。
ここからドトウのエスコートボスラッシュだ。壇上に花嫁を置き去りにして次々と別の花嫁を迎えに行く……最低だわ。カナシミノーって空耳が聞こえる…救いはないんですか?(boat待機中)
ミュゼットの手を取って、壇上へと歩く…周りの芋の視線が痛い。芋の目は食用には不向きだから刈り取っていいかな?
そんな事はどうでもいい。今はミュゼットに「綺麗だ」と素直に伝えよう…と、返ってきた言葉はとんでもないものだった。
「ありがとうございます……でも、皆様に同じ言葉で褒めないようにしてくださいませ。軽く聞こえますので」
「……ぎゃふん」
確かに、全員同じ言葉で褒めるのは軽い。チャラアレクは嫌だ…が、語彙は乏しいんだぞ俺。語彙語彙すーっと切れます(ギコギコ)
残り16人…はたして俺は全員へ異なる褒め言葉を捻り出す事が出来るのだろうか。というか、それって心から褒めてる事になるのだろうか…男はつらいよ(俺が居たんじゃお嫁に行けぬ、分かっちゃいるんだ妹よ←嫁にした件)




