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二百四十四話 やらかし結婚式準備編・嫁⑨

「嫌でござる。当面先の事とはいえ将軍代行なんてやりたくないでござるよ…」


「しかしだな、昨日皆に言った手前……」


「何を勝手に言ってるのでござるか」



昨夜の軍隊の高官を招いての晩餐会から一転、朝起きて話があると父上に呼ばれて聞いてみれば…


拙者が退席した後でクソみたいな事を言ったようでござる。


アレク殿を将来的に関白兼将軍兼宰相兼騎士団長兼その他諸々の権力を集中させようという魂胆。その代行として拙者たちが各組織を率いるようにというものでござった。


確かにアレク殿たちならば少数で国を動かせると思うでござる……ただ、当人がそれをよしとしていないのは閨でも常々言っているでござるよ…


結局のところ、アレク殿に丸投げしてさっさと楽したいのが透けて見えるでござる…


父上にその懸念を伝えると、各組織の連携ガーとか派閥の垣根を超えた協力ガーと言っていたでござるが、それを今まで出来なかったのは父上たちの問題でござろうに…


アレク殿が主だってやればまとめられるのは間違いないでござるが、その後は……そもそもアレク殿はさっさと騎士団長引退して王都の地図師で稼ぎたいと言っているわけであるからして、余計な仕事を増やしたら潰れるでござる。


結局のところ、その内という時間は貰える事になった……拙者はゆっくり庭いじりしつつ子どもたちの成長を見守りたいのに。アレク殿だってそれで良いって言ってくれたでござるのに…


ルチル殿に頼んで、この愚父処してもらうでござるよ……でも、その場合も結局アレク殿と拙者にお鉢が回ってくるのでござるが…


余興で騎士団長に挑む将軍(無能)とかすれば良いでござる。ボコボコにやられればいいのでござる。




「宰相に旦那様を据えて、代行として私が就任ですか?」


「実際、やっている事は今と大した差は無い…というより、今の宰相がやる事は無いと嘆いているそうだ。実際の所、お前が宰相になる為の方便と捉えてもらって構わない」


「つまり、旦那様に後ろ盾をしてもらえと?」



お父様からの突然の話に困惑はしますが、思い返せば旦那様の妻となってから以前の王子業務に加えて多くの業務に携わるようになりました…


というか、効率化によってエルミディア様の負担していた分も多少行うようになって以前から宰相の仕事もしていたと把握しました。なお、ガーライル家が父子共々ロクデナシというのは分かったので処分を奏上しています。


そんな事もある上に陛下とアリスベル様以外は大公爵夫人が国の諸々を牛耳っている今では大公爵が王都の実質的な支配者…と揶揄されるほどになっています。旦那様に褒めてもらいたいからと張り切り過ぎているのは否めません。


ですが、やはり女が政治に関わるというのはこの国ではまだまだ良くは思われません…王都やその周辺では改善されていますがそれ以外ではまだまだです。


そこでこの国だけでなく近隣諸国にも名が轟く旦那様を神輿として抱え上げて纏めようとする……嫁ぎたいという人が増えそうですね、それ。


旦那様が望めばヴォイド様が戴冠するまで摂政としても良いしその後も関白としても推挙するとお父様並びにスタンティーナ公爵も考えていらっしゃるとか……


エルヴァン王子を誅した臣下ですものね。世が世なら悪しきマクレガー公爵を討ち取った時点で旦那様は公爵位ですものね…むしろ、本人にその意思があるならば王になっていても当然ですし。


結局のところ、旦那様が多くの役職を担ったところで今までとは大差なく、お給料のみが増えますがそれを溜め込むような旦那様ではないので王都の民たち、特に貧民扱いされている人たちに還元されるのは間違いないですし…


むしろ、心配なのはお金より皆様の頑張りを褒める旦那様ですわね……また寝不足で倒れないようにミュゼット様と一緒にスケジュール管理を改めないと。

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