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二百四十二話 やらかし結婚式準備編・嫁⑦

結婚式前日…という事もあって、王都の賑わいは今までになく盛り上がりを見せている。


アリスベル様のご成婚やミリスベル様たちの(偽装)結婚の際も賑わっていたけれど、その比ではない……そもそも、本人たちが質素倹約していたというのもあるけれど。


それに比べたら、アレクシール卿は「経済を回す為なら派手にやるべきなのよ。ましてや、国中の貴族や出稼ぎの商人が集まるんだから金落とさせないと」と前世の悪知恵を働かせて色々やっている様子……和菓子というものが最近沢山売られているのもその一環だと思う。


国救いの英雄…アレクシール卿は巷でそう呼ばれるようになったのはつい最近の事。本人は「俺はロリコンナイト。それ以上でもそれ以外の何者でもない……アリコンナイトかもしれないと思う今日この頃」と意味は分からない否定をしているけれど。


もっとも、そのロリコンナイトだって今や自称…ミリスベル様やリテラさんを娶っている時点で言わずもがな。ただ、そう言い張ってないと大変なのも分かる…



「…あの、残念ですけどアレクシール卿は騎士団の仕事で忙しいので面会を希望される場合は事前にお伺いを立てるか捕まるかしてください」


「やはりそう簡単にはいきませんか…」



今みたいに自分の幼い娘や孫を連れてきて、せめて顔を見るだけでもって人も多い。何故か、トリスタン商会(アタシの実家)がその窓口扱いされていたりもするけれど…まあ、貴族だけに限らず他の商人からも面会を求められているから仕方ない。


アレクシール卿の人気は前々からだったけれど凄い…それを制していたのはマリアベル様のお気に入りという立場。それが蓋を開けてみたらマリアベル様は第五夫人で、更に沢山の妻を迎えたとなれば…


でも、アレクシール卿の知識目当ての商人ならまだしも、女子どもを使っての縁故は一番嫌いだという事はしっかり伝えておかないといけない……


そもそも、トリスタン商会がその縁故である一番の理由は叔父の代わりにってところがある……中身が同年代だったからと未だに色々とアイデアを出して潤そうとしてくれている。


でも、やっぱり叔父さんプレイを強要するのは違うと思う……盛り上がるけど。アレクシール卿の優しさが時折変な方向に行くのは知ってるけど…





「また恐ろしい物を作りましたわね…カノーラ公はこれで世界の覇者にでもなるおつもりですの?」


「いえ、単なる返礼品だそうです…」



アリスベル様に一足先にお渡しした三冊の書物…お兄様原案のレシピ集、シェリチェお姉様の知識集、コニーちゃんの裏設定資料集(予言書)。どれもこの世界にとっては劇薬ばかり…


それでも、それを多くの貴族に渡すのは未来に起こる様々な災害から多くの命を守る為……覆す為のただの術と。


そして、それを悪用するのなら……



「…禁書に致しましょう。持っていて少しでもカノーラ公に命を奪われる危険がある行為をする時点で、それは呪いの本です」


「さすがにそこまでは…せめてお兄様のレシピ集だけでも…」


「シルディナ。それが一番危ういのです…知識書や予言書はあって困る物ではありません。が、食文化というものはそれだけで戦争の火種となる場合もあるのです」


「そこまで愚かではないと思いますけれど…」



この後、アリスベル様にこんこんとお説教されました。近年、とある辺境伯領の騎士たちが他領の魔物討伐を躍起になって手伝っているそうです。魔物の肉を狙って…


魔物の被害が少なくなる一方で、その魔物減少に伴う各領の騎士団の実力低下など問題もあると…


それがマクレガー侯爵領をはじめとした反抗的なところならいいんじゃないでしょうか?


そもそも無駄に貴族が多いと思いますよ、この国………だからこそ、これらの書物を使って栄えるか滅びるか選ばせようというのがお兄様の情けだと思うのです。

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