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二百三十七話 やらかし結婚式準備編・嫁②

「アン…君はルクシール家の養女になるつもりはないか?」



いきなり何言ってるんですか、このお喋りクソ眼鏡は(ぷんすこ)


ご主人様の妻という事は義兄になるみたいですが、いきなり養女とか頭おかしいんですか。さすがはご主人様の義兄です。メガネザルってご主人様が呼ぶはずです。


小難しい話で丸め込もうとしています。後ろ盾がどうとか、万が一の時にはとか、子どもに爵位を渡す事も出来るとか……知ってます。こういうのを詐欺の手口っていうんです。ご主人様が言ってました。



「そうやって甘い言葉でたぶらかして、縁を結んで甘い汁を吸うのが悪い貴族のやり口だってご主人様が言ってました」


「……さすがアレクシールだ。伊達に国最強の騎士団を束ねているだけはある。だが、さすがに弟を騙すほど腐ってはいないのだが…」


「世の中には腐った男兄弟は沢山います。むしろ腐るのは婦女子だけでいいってご主人様が言ってました(えへん)」



意味はよく分からないですけど、ご主人様が言うのだから間違いはありません。


その後も色々とお喋りクソ眼鏡と途中からやってきたその妻とがご主人様から聞いたような手口そのままに語ってきましたけど突っぱねました。


そもそも、ご主人様が他の皆様は「自立していたり実家の後ろ盾があるから万が一の事になっても生きていけるけどアンだけはそれが無い。だから俺の妻って地位だけは捨てさせない」って言ってくれました。


今のところ、他の皆様の実家は概ねご主人様にとって良い関係です。が、ご主人に何があった時…例えば不慮の事故や病で余命宣告された時に後継は誰にするかとなったら間違いなく各家を巻き込んで大政争になるって言ってました。


そしておそらく、アンの子は選ばれないだろうと。だからこそ、守れるのだと。


難しい事はよく分かりません。でも、ご主人様の気持ちは分かります…昨日まで優しかった人が次の日には豹変する。そんなところで生きてきました…


今は皆様が幸せだと思っているから良好なだけで、いつかは変わってしまう事もあります。


だからこそ、アンはご主人様の最後の逃げ道として、ただの妻であるのがいいのです。




今更、お兄ちゃんとの結婚を渋り出したゴリラ…もといお父ちゃん。様なんて敬称はもう要らない。


後は大乱闘(一方的)…今更お兄ちゃんが決意してくれた事を覆すような事があれば、お兄ちゃんが結婚破棄とか言う可能性だってある。未だに夜伽させてくれないのに…


それはお兄ちゃんなりの抵抗だから崩れていく様を楽しむのも悪くない。コニーは白い結婚なんて望んでないんだからね。


なのに、「嫌ならいつだって帰ってきていいんだぞ」とか全否定するような事を……男なら一度決めた事を容易く翻してはいけないとか考えないのかなぁ。だからお兄ちゃんを辺境伯にって声が出てたんだよ。


だから暴れた。いっその事、ここでお父ちゃんを事故死させて次期辺境伯の座をお兄ちゃんに預らせてもいいんじゃないかって考えで暴れた。さすがに、それを本当にすると結婚式どころじゃないって気付いて最後の一撃は逸らしたけど………結果、色々と壊してしまった。て、てへぺろ…



「賠償額は後で聞くとして…この事は小兄様にはきちんと伝えておきますわね」


「ミュゼットお姉ちゃん…後生だからそれだけは……」


「駄目に決まっているでしょう。同じ夫人とはいえ他家の屋敷で大暴れしたなどと他所に知られたら大公爵の妻はどういう教育を受けたのだと侮られますわ…ひいては小兄様だって………元からですけど」



ミュゼットお姉ちゃんが遠い目をしている……この後、ミスティアお姉ちゃんにも連絡が行って教育が厳しくなるのは言うまでもなかった。

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