二百三十五話 やらかし結婚式準備編23
結婚式2日前……月が落ちてきたりはしない。多分…(オカリナ探しておこう、吹けんけど)
いつものように仕事を終えて帰ってくるが嫁は誰もいない……まあ、そう仕向けたわけだから当然であるのかどうか。現に実家が無い嫁だって居るわけだし。
アンが残っていると淡い期待していたのだが、前もっての宣言通りキングコングらに連れ去られた。アンはカノーラ家の子扱い、野猿は野生に帰された…
わけではなく、何が悲しくてゴリラたちと2日間も過ごさなきゃいけないのかと固辞したのである。ミュゼットとメルには悲しまれたが公平性に欠けてはいけないと説得した。きっと、策略巡らされてコニーちゃんとう◯ぴょいさせられるんだと思ったから。
レシアもセリーヌと一緒にエレーヌさんのところだし、マリアとミリスベルはリテラを王城に引っ張っていった。シルディは言わずもがな…我が家で待ってくれているのは師匠だけである。
というわけで、夜間からの遠乗りである。買い取った騸馬で走り出す、行く先も分からないまま……食っちゃ寝しようとしてたら、それを嗅ぎつけてきた嫁たちに怒られたので、王都から逃げ出すのである。滝行でもしよう…
と、王都の門から出ようとしたら門番たちに止められた。逃げるな、卑怯者…ではなく結婚式当日までに帰ってこない可能性あるから出るなと。
王城から通達があったんだと。間違いなくティアとエルの策略である…トラブルメーカーアレクくん、信用されてる。滝行の末に僕どざえもんってパターンもあるから諦めよう。未亡人にしてはいけない…
結局、夜の王都を師匠と散策しただけだった。虚しい……で終わるアレクくんだと思うな。孤児院に突入して結婚式のベールガールたちを労うのだー…のだーのだーのだー……
突撃、隣の大公爵は追い返された。そりゃあ、夜に突然押し掛けたらそうなるわ。更にベールガールたちの衣装合わせしていると門前払い。中にはワザと着替え姿見せて責任払いしようとする子も居るから退散した…前日に嫁増やしたらドヤされる。
いつもの酒場とかも結婚特需で満員御礼。立ち飲み客も居るからと入店拒否……そこは、結婚式の主役の登場だーとか今日は俺の奢りだーとか盛り上げるところでは?
結局、俺は孤独に街を彷徨う亡霊……とか格好つけるには相手が居なかった。腹も減ったので出店で晩飯である………お、珍しそうな屋台を発見。メシ屋…はて、今日の昼までこんな屋台あっただろうか?
*
昨夜は飲んだ。焼きそば屋台で変な少女たちと酒盛りした……と思う。あまり記憶は無い。「私は神だ」とか言う客と店主と看板娘の変な三人だった………飲み過ぎたんだな。
俺が転生3回目とか、2回目に助けた男の子は残念ながらホストになって刺されて死んで王子に転生したら首斬られて死んだ死んだとっくに死んだとか言われた気もするが…酔っ払いにはよくある戯言だ。にしては具体的だった気がしなくもない…(まあ、どうでもいい)
きっと酔い潰れて吐いたから腹も減った……なお、師匠が連れ帰ってくれたのか、起きたら馬小屋の中だった。騸馬じゃなかったらゆうべはお楽しみされていたかもしれん…
屋敷に戻って、風呂入って部屋の片付けである。明日の結婚式と披露宴が終わればきっと……新婚だから数日の休みはあるから言わずもがな爛れた日々なのだ。コニーちゃんの事はどうしよう…
まあ、考えても無駄である。中身戦犯Hだもの…とりあえず、掃除しよう。メルやアンが綺麗にしてるけど掃除しよう。
と言っても、自室と共用部分のみである。嫁の部屋へは無闇に立ち入らない…立ち入ったら朝まで出してもらえない。調教済みのアレクくんである。
とあるメシ屋らの愚痴…
「あれがこの世界の特異点。そして、あれがツインドライブ師匠………どうして騸馬?」
「ええ…でも、特異点というかただのハーレム野郎です。騸馬は仕方ないかと…あのハーレム野郎がズルしなきゃ馬肉で終わった駄馬ですし」
オラの愛馬が男の娘……人化の特殊能力でも授けるんなー。あかんってか…魔法が無い世界はめんどくさい。
「そんな事よりゲロ片付けろ」
異世界迷酒「八回堕山」はきつかったかのぉ…




