表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/296

二十三話 やらかし21歳期・隊長編②

4月は俺の仕事…鬱気味の今日も、凛とせぬ日々も、人でなし働かすのである。(騎士団長)だよ、(騎士団副長)なんだよ。休みをくれぬー。


更にあの日以降も、ミュゼットもメルモニカも態度一切変化無し…目も合わせてくれない。廊下ですれ違いかけても踵を返して逃げられる程…メタル級に逃げられまんねん。


遠目から見えたのだが、プレゼントのネックレス着けてくれているだけでもまだマシか。どうせクソ親父のサプライズプレゼントとか思ってるんだろうなぁ…これが寝取られか(違う)


まあ、もう少ししたら寮へ行くんだし二人には楽しい楽しい学園生活(乙女ゲーム)を楽しんでもらいたい。王子ルート行ったらまた王都に波乱呼ぶ気するけど…逆ハールート行ったら国の将来お先真っ暗だけど。お勧めは親友(ノーマル)ルートだよ…今まで通りじゃんそれ。


まあ、バッドエンドに至った場合には命捨ててでも守ってやんよ。処す子ちゃんにだけは勝てる気しない……そういえば、処す子ちゃんのナイフ預かったままだった。返す機会あるかなぁ…


とか考えると、声が掛けられた。新人さんはとってもすごい、ど(騎士学校歴代)偉い学力で攻めてきた(最優秀卒業生)セリーヌである。くっころシーンまだ無いけど。



「先輩、書類仕事しなくていいんですか…」


「セリーヌか……どうして騎士団で書類仕事しなきゃいけないんだとか思った事ないか。もっと、こう書式の統一化とかして簡単に書けるようにして楽にしたくないか?」


「それ進言出来る立場なんですから、上に言ってください…」



確かに…というか、副長空席で兼任なんよ。成り手居ないんよ…人徳無いな、俺。とっても忙しい…二倍の仕事してんのよ。言える時間無いわ。


さすがに新人のセリーヌに副長をいきなり素敵に抜擢は出来ない。たとえ首席であっても、新人研修あるし………新人研修した覚え無いな、俺。


マリアベル様の事件でゴタゴタしてて俺の年度飛んでたわ。そりゃ同期も役職就きたくないわな。というか、そんな俺を隊長に抜擢する人事どうよ…物語の若い騎士団長とかであるまいに。地方ならよくありそうだけども。


そんな事を愚痴るとセリーヌに苦笑いされた。どうせ君も来年には近衛行くんだろ。行ってミュゼット虐げるんだろと思わなくはない……処刑回避させとかないとなぁ。推薦せんとこ。国王と面識あるから推薦無しで栄転するだろうけど。





連日連夜残業である。ミュゼットとメルモニカの入学式くらい参加したかったが出来なかった…有給休暇貰えなかった。酷くね…親優先とかで団長とか貰ってるのにさ。せめて、当日の警備配置業務とか回す配慮ないんかい。


結局、二人が寮へ行くのも見送れず…このまま縁切れるのかなぁとか思って真夜中に帰宅。使用人は当然寝ている…のに、サロンの灯りが点いていた。


覗くと、ミュゼットとメルモニカが居た…が、テーブルにうつ伏せて寝ていた。何で居るのん…寮の門限とかあるでねぇの?


そういえば、使用人から寮へ行ったとは聞いてない……え、通うの。ここから?


俺なんかと居ても居心地悪いだろうに…あれか、節約か。それともクソ親父が引き留めたのか。ますます俺残業しなきゃいけないじゃん。


それはさておき。このままサロンで寝かせておいたら風邪ひく、腰痛くなる、身体ガッチガチやぞ。ベッドだ、ベッドだ、ベッドもってこーい。うまうまうまうま…無理だろがい。


仕方ない。部屋まで運ぶか…脇に抱えるのは無理なので、お姫様抱っこだな。途中で起きてアバタローしたら縁が切れるなと思うので慎重に運ぼう。まずはメルモニカから…



「…だいぶ軽いな」



色々と無理したんだろうなぁ…原作通り。もしかしたら、別の男ともう婚約しているのかもしれない……明らかに原作より嫌われてるもん。


首には俺が贈ったピンクトパーズのネックレス…まあ、親父が贈ったものと思っているだろうから着けてるだけなんだろうなぁ…


俺が贈ったものと分かったら引きちぎって捨てるかも。ハハッ…


そう自虐して部屋の前まで来るが、鍵掛かってる。何ならミュゼットの部屋も………仕方ない。俺、雑魚寝決定。


メルモニカを俺の部屋のベッドに運ぶ。買ってて良かったセミダブルベッド…ミュゼットも連れて来よう。


サロンに戻り、ミュゼットも同じように抱える。原作とは全く違う容姿…元気そうだから陰りを押し殺している姿とは別人の容姿。だが、惹かれるものがある…



「本当に、綺麗になったな…」



いったい、彼女は誰に恋をするのだろうか…その相手が羨ましく思う。ああ、やっぱりそうか…とも納得する。


救った気でいたが、救われたのは俺の方なんだと…まあ、そんな事言えるわけもないか。


メルモニカと同じく、アメシストのネックレスを引きちぎるだろうし…何より、実妹だし。


嫌われ役には慣れてる。後、シリアスは俺に合わない…制服、シワになるなぁとか明日の朝、連れ込まれたとか言って大騒ぎになるなぁって考える方が建設的だ。


薄い本みたいな展開は無い。自制だ自制……マジ何処で寝ようかしら?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ