二百二十二話 やらかし結婚式準備編10
コニーちゃんの件が口うるさい小姑に伝わった…お小言の時間である。まあ、それが普通の反応…それがありがたいと思うのは俺が潜在的なマゾだからではないと思いたい。思い込みたい…
「カノーラ公…マリアはともかく、シルディナやアンも居るというのに更に幼い……ましてや、戸籍上の姪に手を出すなどと何処まで愚かな事をするのですか?」
「アリスベル様…男とは愚かなものなのです。堕ちるなら実妹でも実子でも実母でも何にでも手を出すのです。ですが、俺は断じてコニーちゃんの事を自らの欲望の為だけに受け入れるつもりは無いのです……というか、実際のところちゃんと話聞いてますか?」
「聞いているから尚更怒っているのでしょう…」
ですよねー…俺が拒めば解決する話なのよ。ただ、前にシェリから聞いてるわけですよ……コニーちゃん、このままだと続編設定では辺境伯の地位を継いで独身街道まっしぐら。
ニコラスくんが入婿する可能性もあるわけだし、初恋拗らせたら面倒なのがカノーラ家の血筋…それなら俺が悪者になればいいでごんす。今更変態大公爵ロリコンナイトの悪名に何が足されても痛くも痒くもないわ(既に致命傷)
「…そもそもです。辺境伯という地位は我が国ではカノーラ家だけの爵位。それを今まで蔑ろにしてきたのは王家ではないですか。現辺境伯のキングコングの亡き妻は近くの伯爵令嬢。それ以前も王族や公爵といった有力貴族の血は含まれていない…これが辺境を軽んじてきた何よりの証拠でしょう?」
「……だから、妹だけではなく姪まで娶ると? 王家から二人も娶った分、対等にしたいと?」
「そんな事を言えば、バランス取るために際限なく増やさなきゃいけないでしょうが……俺が言いたいのは、カノーラ辺境伯家を、キングコングを国王が友と言うならコニーちゃんの縁談くらい生まれた時どころかゴリラが結婚した時点である程度固めておくべきだったと言いたいんです。王族が無理なら側近でも高位貴族でも打診して…それを疎かにしたから、キングコングが王城に行ってから不良在庫ばかり回されて、俺の方が良いなんて結論に至ったんですよ?」
暴論による論破は成功した…まあ、王子があれだったのもあるわけですよ。だいたい、シルディだって出た嫁選びにコニーちゃん出てなかったやん。ミュゼットだって呼ばれてないやん…それがどれだけ辺境伯家舐めてたのって話。物語上は仕方ないけど………まあ、仮に呼ばれてたとして俺が招待状捨てた可能性はあるけど(アレ山羊さんたら読まずに芋焼いた?)
まあ終わった事はええねん。結局のところ、アリスベル様が何を言おうと俺に逃げ場は無い…コニーちゃんが真実の愛に目覚めない限り俺は逃れられない宿命なのだ(単に姪っ子を傷つけたくないだけ)
というか、続編でコニーちゃんが独身なのは鬼畜アレクに穢されたから説まであるわけよ。それなら納得がいく……のか?
原作ではミュゼットの行動次第でメルが誰を辺境へ連れ帰るのかが変わる…と思われる二次創作的な展開。続編でアレクくんどうなったかは描かれてない。ミュゼットが誰を選んだか不明なのと同じように…
それはつまり、姪っ子に手を出してゴリラに切り刻まれたパターンもある。それは仕方ない…俺だって立場が同じならそうする。なのに、今のゴリラたちの思惑が分からん…
「…確かに、令息令嬢の婚約に尽力しなかったのは認めましょう。王妃業務として本来は成す事を我々王女がこなせていなかった弊害です。今後は王族業務として責任を持って行いましょう」
「……それ、ミリスベルとマリアに仕事増やすなって怒られるパターンですやん」
余計な事を言ったアレクくん…だが、俺は謝らない。だからコニーちゃんに一番良い見合い相手を頼む………あれ、やるのがミリスベルやマリアな時点で俺以外の選択肢無くね?




