二百十八話 やらかし結婚式準備編6
ミュゼットが唐突に「ビッチナイトも嫁にしないか(意訳)」とか懐柔されかかったりしたが断った。ビッチナイトアラサーなのよ。俺より6つ上なのよ…ロリコンナイトの範囲は狭いのよ。というか、まだ諦めてなかったのか。イケおじ役に立たねぇ…
そんな騒動は突っぱねた。いくらミュゼットの頼みでも、ビッチナイトが最初から名誉と地位と金と若い男目当てなのは誰もが知るところ…俺、そういうの嫌いなのよ。そこに愛はあるんかである。後、病気怖い…
他にも熊の子見ていた隠れんぼ(尻は出さない)とか起こりそうだったけど知らん。ロリコンナイトでも下限もあるわい(後、あんな夫妻とは仕事以外で関わりたくない)
好色家扱いする部下どもの戯言に付き合ってしまうと我が家の部屋が足りなくなるのだ…我が家の空き部屋はもうゼロよ。嫁の追加予定あるわけないだろうに。
とか思ってた時期が俺にもありました。
*
6月は梅雨…と前世準拠しないまでも雨が多い。アスファルトもコンクリートもなく、石畳みの舗装も多くはない王国道…もとい酷道。ぬかるんだら大変なのである。従って、王都前乗りする貴族は多い。
何で今更こんな説明繰り返しているのかって…キングコング王都襲撃だからだよ。一度は袂を分かちかけた辺境伯がやってきた、恨みを募らせやってきた。あいつらはまともじゃない、なんでもペロりだよ…警戒するじゃん、普通。しかも主要な面々ゴリラとインテリ眼鏡の家族などなども同伴…戦争かな?
まあ、そう思われるような事をやってしまった一部の王家(主に国王)は戦々恐々ですわ。何故かアリスベル様が嘆願してきたりミリスベルが怖がったりしているがマリアは強い。その矛先がハーレム大公爵アレクくんに向かってくるのは分かっているから…ぐっすん。
カノーラ家の要らん子が虐げられるのは昔からですねん。ましてや末っ子の可愛い可愛いミュゼットに加えてメルにまで手を出したでは足りず、沢山の美少女に手出しした……矯正されるのね、そうなのね。まあ、覚悟している。どうせなら寝たきりにされる展開まで妄想した。
「せいぜい骨を二、三本折られる程度ですわ…向こうが」
「ケガしてもアレク兄様ならすぐ回復出来ますよね?」
「アレク…自分が王国最強って自覚ある?」
第一〜三夫人の過度な俺への信頼はさておき、いくらキングコングといえど王都で好き勝手させない。尻拭いするのは俺やねん。
とりあえず、結婚式まではヤーマンの屋敷に押し込めて式が終われば辺境に送り返す予定。じゃないと新婚生活やマリアの誕生日とかに差し障る。肩身狭い思いしたくないねん。義姉たち怖いねん…だから俺はロリコンナイトなのさ。年上の女が苦手なの、ゴリラ嫁のせいだったと今更発覚。
そんな豪快家族の接待しなきゃいけないのね…基本的にはレミやアンがしてくれるようだが、感化されてゴリラ化したら大変なのである。
というか、そんなに長々と領地留守にしてていいのかな? ……前置きはこのくらいにして、出迎えである。面識の薄いレシアたちは中で待機シャトル…雨の中でも無敵気取りのキングコングが言いがかりつけてきたら荒れるし。
とか思っている間にキングコング一行の馬車の隊列がやってきた……推定数十名。ヤーマン家の屋敷でも足りるかな。足りないだろうな…人数多すぎじゃね?
そう思いつつ馬車の扉が開いたので出迎える…
「るちーっ!」
「おうふ…」
……間もなく、ルチルに突撃していく弾丸。もとい、エドモンド本⬜︎……もとい、我が姪っ子コニーちゃん。ルチルのみぞおちに痛恨の一撃。
そういえば、ミュゼットとメルだけじゃなくコニーちゃんにも慕われてたって言ってたなぁとしみじみ……というか、強くね?
とか思ってたらコニーちゃんと目があった。その次の瞬間…
「お兄ちゃん、お嫁さんになりに来たよっ!」
とかって爆弾発言した。わけがわからないよ…
 




