二十一話 やらかし20歳期・副長編④
結局、隊長だったよ主犯格…自白剤4リットル入りまーすで自白した。王家の後押しあれば何をやっても許されるのだ…冤罪除く。というか、もっと入れろよ、ボトルキープしろよ。
結局、ペリドッド保管庫と製造工場は王都にあり他の派閥貴族は脅されて従っていただけだとの証言も取れた。
ちょび髭侯爵家は当然断絶。他の派閥貴族は訓告。派閥代表の宰相は監督不行き届きとして半年間の給与カットとなった…強制力なのか、その息子の王子側近は引き続くとの事。まあ、関与してない若者を処罰するのはな…
で、この事件の功労者たちを表彰したいとか言い出した国王…いや、そんなのええってと全員が辞退したかったが、そこはマリアベル様が名において命じちまった事件。讃えなければならないとか言われた…逃げ道無し。
クリスティーナ嬢やシルディナ嬢はまだ良い。貴族令嬢だから…だが、平民レシアと平民上がりのセリーヌは大パニック。
まあ、セリーヌは騎士団入れば研修後に叙勲されるのでその予行だと思えば良い。レシアも絡み酒王女の父親なんだからそんなに身構えなくても良いと言っておいた。
というか、俺何もしてない。してないのに一番活躍した事になってる。違う違うそうじゃないって言って良いよね…全員でノーと言われた。
マリアベル様とシルディナ嬢曰く、
「「話してくれなかったら手伝えなかった」」
クリスティーナ嬢とセリーヌ曰く、
「「手伝いを募集してなかったら手伝えなかった」」
レシア曰く、
「アレクシールがやってなかったら、そんな危ない事してない」
…とな。確かに巻き込んだの俺だわ。そして、それがリーダーの脂質糖質塩分過多とか言われちまったら、おしめぇよ。てか、レシア以外それぞれ考えたような一字一句を声揃えて言ったな、おい。
きっと、これは罠だ。俺に名誉を押し付けてその報奨金で沢山食べ歩きするつもりだ…ええけど。擬似パパ活くらいしてやるけど。
*
表彰はつつがなく終わった…謹慎一日食らったけど。だって宰相睨んでくるんだもん…それに贔屓するんだもん。
シルディナ嬢とクリスティーナ嬢には報奨金と粗品あるのに、他三人には粗品無いんだぜ。マリアベル様は王族だし額も多いが所詮小遣い…それは良いとして、レシアとセリーヌには報奨金低いし平民だからと見下してんだぜ。
だから意見してやった。そんな差別良くない、貴族贔屓良くない。俺の粗品要らんから二人にやれと…
全員困った顔してた。結局、俺の分はレシアに。前に貰って全く使ってないふぶ◯のつるぎっぽい剣をセリーヌに渡す事でケッチャコした。
やったね、セリーヌ。アイスソードくっころさんになったよっ!(おいバカやめろ)
*
そこからが大変だった…「隊長居なくなったんだからお前やれよ(強制)」との騎士団長の命令。他の副長とか上げれば良いじゃん。なんなら、外部から勧誘で良いじゃん。俺じゃなくて良いじゃんとコミュニケーション取ったがブレイクダンスした。ハイ残念…
荷が重い。副長業務すら出来てない俺に何が出来るというのだろぅ…何もするなとか騎士団長と副団長に念押しされた。分かりました、やりまーす(反抗心)
とはいえ、味噌っカスかつ嫌われ者の俺が隊長だぜ。身内も鼻が高かろう…そういえば、来年はミュゼットとメルモニカの入学だな。さぞ誇らしかろう、そうだろう。フハハハ…仮面でも被ろうかしら。
まあ、やってる事はロクでもない事ばかりだったんだけど。
そして、少し時間が経過し…入試の為に二人が王都にやってきたのである。
「あら、小兄様…まだ生きてらっしゃったの?」
開口一番、そんな言葉を投げかけられた。
ミュゼットは美しくなった。自慢の紫の艶やかな髪は伸び、原作の短髪で活発な姿ではなく、それはまさに…
悪役令嬢そのもの。
というか、その毒舌に血反吐吐いた。分かってたけど、すごい嫌われてますやん。ぐはーーー




