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二百七話 やらかし結婚エルミディア編①


エルミディア・シュノーケン。


知力と腹黒の悪役令嬢。ルイレートの婚約者として立ち塞がる。


他の三人とは異なり、婚約者を簒奪しようとするミュゼットに対しては積極的に敵対する。但し、ルイレートに関してはあまり好意的ではなく苦言を呈する事も多い。


ルイレート攻略には金策やパラメータ管理ではなく完全に選択肢による攻略がメイン(但し攻略に必要な選択肢解放には知力のパラメータはある程度必要)


また、ルイレートルートにはバッドエンドが存在し、処す子ちゃんによるミュ/ゼットエンドが多数存在する(ノーマルエンドの方が少ない…というか、ほぼ無い)


グッドエンドにおいてはエルミディアは消息不明となる(設定資料集では、ミュゼットが辺境伯令嬢と発覚し、いじめに加担していたとして処分されたと記されている)




話を聞く限りスタンティーナ家の孕み袋にもなれず、ただの構成員用の孕み袋になってしまったという事でしょうか……どちらにしろ、マシな未来は無かったのですね。



「あー…あのな。あくまでも原作…作り物の中での話だし、エルがそうなってしまうなんて分かった今では絶対にそんな未来にさせないっておっちゃん頑張るべ?」


「アレクお兄様、分かってます。あくまでも今のあたくしと違うあたくしの話ですね」


「…まあ、処分されたと言うてもカノーラ辺境伯への詫びに出荷されたってパターンもあるやろ。仮にも行方不明だった言うても兄さんの嫁候補のミュゼットはんを横取りしたんやし、対価的な意味合いで差し出されたって可能性も……」


「バッドエンドパターンで小兄様に救済させようと考えるのはどうかと思いますわよ…」



アレクお兄様専用の孕み袋……良いかもしれないって少し思ったりします。勿論、あくまでも今の方が良いのは当然ですけれど、救いはあると思うので…


そう伝えると、シェリチェ様には「末期やな…」と言われてしまいました。むしろ、ルチルお姉様と義姉妹になる以外何のメリットもなかったんですよ、あの婚約…



「でも、そうじゃない未来だってエルは望めば掴めたかもしれない…そんな風には思ったりは…」


「しません。するはずないじゃないですか…そもそも、側近として暴挙を止められなかった公爵令息の婚約者ですよ、あたくし。アレクお兄様が取りなしてくれたから今の状況ですけど、下手をすれば国家騒乱の共犯者の関係者ですし…」


「普通なら死刑…とまで行かんでも、それなりに処罰されとんな、ウチら…」



平民落ちくらいなら甘んじて受け入れられますが、おそらく良くて全員孕み袋でしたと言えはシェリチェ様も顔を青ざめていた…


アレクお兄様が居なかったらというのは当然として、夫人として迎え入れられなかったら恩赦が出されたとしても婚約者の暴挙を止められなかった愚者として嫁ぎ先なんてあるはずもなく仲良く修道院行きが最良だったんですと力説したら、何故かアレクお兄様が落ち込まれていました…



「ここで修道院フラグを折っていたのか……改心した修道女引き取りフラグを…」


「まだ言ってますの、それ…シスター服がお望みなら用意しますわよ…」


「…何の話ですか?」


「単なる兄さんの妄言やろ…いつも通りの。セリーヌはんにゴブゴブするくらいやし…」



……ゴブゴブ。アレクお兄様が望むのでしたら、孕み袋ごっことかもありかもしれません。そう伝えると「緊縛されてるのは俺なんだけど。むしろ、この後も継続する未来しか見えないんだけど…」と言われました。


確かに言われてみればそっちの方に見えます……けど、それは不安を煽ったアレクお兄様が悪いと思います。

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