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二百一話 やらかし結婚ラティーナ編①


ラティーナ・セイリック。


元孤児の聖女。キースルートにおける悪役令嬢ポジ。


敬虔な信徒であるセイリック伯爵家に引き取られ聖女としても活躍。


神のお告げによって辺境伯領のスタンピードを知り、その為に資金や聖なる力を増幅させる特級呪物の取得の為にキースと婚約を結ぶ。


当初は打算による婚約だったが、キースの誠実さを知り惹かれていくも、キースは貴族らしからぬ天真爛漫なミュゼットに恋するようになる。


その為、ラティーナは死地に赴くのは自身のみでいいと思い至るようになり、ミュゼットに対しても金銭を要求してキースからの不興を買うと同時に早期の婚約破棄を目指す。


その真意を知らないプレイヤーからは守銭奴聖女として嫌われていた。(設定資料集でしか明かされていないので、知らない人が大多数)


キースルートのグッドエンドでは婚約破棄して単身辺境伯領へ赴く。その場合は殉職したとも共に戦った騎士と幸せになったともされ、詳細は不明。


その他のルートや攻略失敗の場合ではキースと共に辺境伯領へ赴く。また、攻略失敗の場合、ノーマルエンド(メルモニカとの友情エンド)となる。




「…ノーマルエンドって、結果辺境伯領で再会して気まずそうよね。今思えば…」


「そやな…まあ、あのクソ金持ちとは違って原作のキースはそれなりに人格者やったし……そんな金に目が眩んだら金貢がなきゃいけないとか大変やったろうな」


「…ミュゼット様とはいえ、別人の話ですよね…それ?」



聖人様だけではなく、ミュゼット様とシェリチェ様も前世を覚えていらっしゃるとか…聖女認定の推薦をしようとしたら固辞されましたけど。


聞けば聞くほど、本来のわっちは神の意向に沿おうと必死だったのでしょう……おそらく、聖女だからという使命感に加えて義両親に報いたいという事だけで視野が狭まっていたのでしょう。


ですが、聖人様の妹愛での辺境伯領における魔物退治が功を奏してスタンピードは回避…そして今のわっちが居るのです。


そして、もう一人…



「シェリチェ様がわっちたちを良い者にしようとしたから今があるんですね」


「……な、何の事やろなー」


「…シェリチェ様。色々と助言してわっちたちが歪な人間にならないよう導いてくださっていたじゃないですか」



守銭奴聖女…昔のまま手段より結果と考えるような性格であったならば、聖人様の事すら単なる伯爵家に箔がつくからという事だけで結婚していたでしょう。


でも、そんな浅ましい姿を見て聖人様から寵愛をいただけるとは思いません。その考えに至る思考ですらシェリチェ様に鍛えられた賜物です。



「…まあ、わたくしもメルモニカに対して色々とした記憶はありますから深くは問いませんが……その配慮をあの愚物たちにも割いていたら変わったんじゃありませんの?」


「あれらはあかん…手遅れやった。それに、口出した程度で改善するなら楽に心入れ替えるやろ。あのバカボンボンなんぞ出会った時から醜悪やったで」


「何故に?」



聖人様は疑問を口にしますが、確かにあの方は三名が語られた聖人じみた方ではありませんでした…家の為と婚約を解消しなかったわっちにも問題はありますが、増長していたのは事実。


一方で家業の方は芳しくない様子でした……クリスティーナ様の実家が次々と新しい事業を起こしていたからですが、それも聖人様が関係していたと今更ながら思い至ります。もっとも、ユニコーンの角をもう一本と望んだわっちにも原因の一端はありますが。


どちらにしても済んだ話です。ミュゼット様を虐げた王子に加担し好き放題やっていた天罰が下ったのでしょう…

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