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百九十六話 やらかし結婚セリーヌ編②

順番的に避けれなかったのでキスを交わした…先輩は「これがくっころゴブか」って言ってたけれど、違うと思う。



「セリーヌもお人好しよね。グーで殴ってもいいんじゃない。あの調子だと」


「レシアちゃんじゃないんだし……そもそも、自分は先輩の妻になれただけで十分だから」


「そういうのがいけないんじゃない? アレクシールが何考えてるか分からないけど、別に何かが変わるわけじゃなし…前世とか原作とか言われても、あたしら死んだりしてるわけだし。もう少し欲出しても良いんだと思うし」



レシアちゃんがそう言う気持ちも分かる。先輩たちが知る自分たちは生きてはいない。ある意味、命の恩人と言ってもいい気がするけれど決してそれを望んでいる様子はない。


元々、そういう人だったと思い出していた…




第三王女による貧民街への突然の炊き出し。それまでは浮浪児たちに施しをしている奇特な騎士学生が居るという噂は聞いていたけれど、貧民街で貴族が何かをするなんて時は、使い捨てれる使用人という名の奴隷を見繕ったり、人狩りと称して無差別に虐げたりと悪い事ばかりで誰しもが警戒していた。


ましてや、第三王女。そんな人に無礼を行えばどうなるかなんて分かっていた。


単なる高貴な方の気まぐれや児戯…遠巻きに色々な人が見ている中で最初に声を上げたのは母だった。


ミリスベル様と母の口論は、ミリスベル様に軍配が上がった。たった一食でも多く食べられるように勝手にしているだけなのだと…その言葉に誰もが呆れつつ、説得力に負けた。


そして、ミリスベル様の傍らに居た騎士学生が自分たち母娘のところにやってきて器を差し出してきた。



「まあ、金なんて取ったりしないし味が変だったら捨ててくれて構わない。とりあえず食ってみてくれ…頑固者の余計なお節介だと思って」



自分はそれを受け取って食べた。母が口論で負けてそうしないといけないという怖さもあった。でないと痛めつけられるのではと…


でも、それ以上に興味が勝った。そして、その味は一生忘れられないものになった…




あれから、もう6年…まさか、自分が騎士になって先輩の部下どころか妻になるなんてあの時は思いもしなかった。


そう話すと…



「それ言ったらあたしなんか、副団長扱いよ……セリーヌはきちんと頑張って学校出たから当然だけど。それでもまあ、アレクシールの愛人くらいになれればって思ってたけど」


「…愛人って。まあ、マリアベル様やクリスティーナみたいなきちんとした貴族に比べたら一夜の過ちでもとは思っていたけれど…」


「思ってたんじゃない…でも、あいつはそれすらする気無かった。欲出せば次期国王とかにだってなれそうなのにさ…なってもらっても困るけど。下賜とかって他の貴族に売り飛ばされても嫌だし」



そんな事を先輩はしないと思うけれど、貴族社会ではそれが無いわけでもないのは学んでいる。


一応、自分たちも貴族としての地位はあるらしいけれど愛想尽かされないようには頑張ろう……後、ミスティア様の不興を買わないようにしなければならないと思う。ただでさえ公爵令嬢なのに夫人としての順列は低いと思っているだろうし…


いつか、先輩が「嫁たちが様付けで呼び合うのが虚しい。気持ちは分かるけど、普段のミュゼットとメルを見習ってちゃん付けくらいにならんもんか」と独り言を言っていたのを思い出す…


うん。せっかく先輩のお陰で生きているんだから仲良くなるように努力しよう。でないと将来的に恐ろしい事になりそう…


先輩、ロリコンを明言しだしたし…

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