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百九十一話 やらかし結婚レシア編①


レシア。


浮浪児にして、原作ではミュゼットの財布を狙った盗人(推定)。


その翌日には惨たらしい姿で発見された左顎に傷のある少女。


なお、原作では名前の表記も女盗賊であったので事実は分からない。




「アレクシールは、あたしにそんな死に方して欲しかったのかよ?」


「そんなわけないだろ。でも、考えてみろよ…前世入れたら俺もうすぐ50代だぞ、おっさんだぞ。嫌じゃないのか?」


「年とか関係ないだろ…あたしがどれだけ好きか言っただろ。前世とかおっさんとか関係あるかよっ!?」



あたしはアレクシールの胸倉を掴んでガクガクと揺さぶる。横に居るシェリチェは止めようとするけど、ミュゼットはもっとやれと囃し立ててくる…


というか、止めながら「ドウジンシデハダイニンキ」とか意味不明な事言うな。何だよ、その呪文みたいなの。


アレクシールがまったく分かってないのは分かってる。変なとこ真面目だから毎回振り回されてるわけだし…でも、それなら何で今まで黙ってたって話だ。


結婚して体を重ねてから言うなんて卑怯じゃないか………あたしはまだいい。そんな事気にもしてないし…でも、他の連中はそうじゃないかもしれないだろ。そんな説教をした。



「そんなんで騙されたって言うような連中じゃないと思うで。現に、落ち着いて自分の番待っとるやろ…本当にそう思うなら喚いてるはずや」


「分かってるわよ、そんな事。喚くような奴はあたしがぶっ飛ばすし」


「めちゃくちゃやで、言うてる事…」



シェリチェが言わなくたって分かってるわよ、そんな事も……だから尚更怒ってるんじゃない。


アレクシールが居なかったら、あたしは盗人にしかなれてなかったんでしょ。いくらミリスベル様が炊き出しとかしても幸せになれなかった。


あたしはまだいい。盗人でも生きてたんだから…じゃあ、他の子はどうなのよ。片方でも親が居たセリーヌくらいならまだ生きていけるだろうけど、親の無い子だって多く居た。きっと何人かは死んでいたはずだし、殺されていたかもしれない。


それを助けたって自覚無いのが今のアレクシールだ。そこに前世とかどうでもいい。騙してたわけじゃなくて単に隠してただけで怒る……事も多々あるけど、今回の件はそうじゃない。アレクシールが自分のやった事すらどうでもいいみたいに言うのが嫌だった。



「だいたいアレクシールがおっさんなのは前からじゃないか。ミュゼットとかが小さな頃から大好きなロリコンじゃないか…」


「アレク、ロリコンだもん…ロリコンナイトだもん」


「そのくせ、あたしに手も出せないヘタレだったし…本気で悪さも出来ないくせに。本当にロリコンだったら孤児院とかでいくらでも手出し出来たろ。風呂入れてたんだし」


「小兄様?」



ミュゼットが睨んでるけど、知らない。まだ二人だけで風呂入ってないのがまだそんなに不服か…


ともかく、今のアレクシールが居なきゃ今のあたしが居なかった。こんな事なら、もっと早く手を出させておけば良かったかななんて思ったりもする。


大公爵に認められるくらい凄い事したんだぞ、沢山の人助けたんだぞって少しは自信持って欲しい。前世あるからズルしてたとかって言われても、そのズルで助けられたんだから胸張れよ。



「とにかく、あたしは絶対離れてやんないからなっ!」


「ああ…レシアに離れられたら俺死ぬ。仕事的にも…」


「……前世あるんだから何とかしろよ、そこは」


「無理どす」



前世っての、あんまり役に立たないな…

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