百七十九話 やらかし結婚編114
不貞の勧め……まあ、当時そんな事言われたら宥めて改めさせてだったろうよ。不倫の慰謝料払えないし、ミュゼットたちに顔向け出来ない。後、そんな趣味無い…
そもそも、俺は結婚するつもりなんて無かったのだ。ただただミュゼットとメルが誰かに嫁ぐ姿を見るのが嫌で故郷を離れた意気地無しなのだ。原作の幸せ奪ってしまった罪悪感から逃げた結果、更に原作破壊したけど…
嫁たちが証明書にサインをと強請られたあの時…俺は拒否しようとした。最後の砦かつ唯一の善性を期待していたアンに押し負けたから諦めたけど。一緒に風呂入ったアンに言われちゃ受けるしかない。原作に関係ないアンこそロリコンナイトの真のヒロインだった…
その考えでいけば、サブキャラでしかないが立派な悪友のミリスベルに手を出すなんて考えに至るわけない。今でさえきちんと初夜出来るか悩んでるんだぞ、こっちは…
「二人とも何度か出歯亀してるから分かるだろ…俺、結構しつこいぞ。年端もいかない少女たちにねちっこい行為迫るクソ野郎だぞ?」
「無理してまで頑張りすぎる程に…だよね?」
「なるべく同じ回数だけって頑張り過ぎてるよね、アーくん…栄養ドリンクまで使って」
見抜かれてる……まあ、それで倒れたわけだが。さすがに連日連夜してればそうなると分かっていたけど。
俺の愛なんてそんな安っぽいものよ。前世の知識とか活かせない…前世で恋人なんて居なかった。今世でも恋人すっ飛ばして結婚だよ…
デートらしいデートなんてした覚え無い。せいぜいレシアとセリーヌとクリスくらいと買い食いした程度。ドキドキドキドキドキドキドキドキとかなくは無いけど、数をこなせばこなす程に慣れていく自分が浅ましい…
罪悪感というか、何というか…純粋過ぎる嫁たちに対して前世という負の遺産持ちの俺。騙している感は契りを交わしたからこそ、なお強くなるのみ…
「平等に愛したいなんて思いはすれど、それが出来ているなんて思ってないからな…ただ、嫁たちに甘えているだけだ。愛想尽かされて別れたら、元嫁たちを手厚く保護はしてやってくれ。年上だし、そこら辺のケアは任せる」
「…まるで、皆に捨てられる事前提だね。アーくんは皆の気持ち疑うの?」
「やってる事はお前の弟と同じだからなぁ……それに近々俺の秘密を話しておかないとって思ってる。それで軽蔑する子も居るはずだ」
「アレクくん…その秘密話さなきゃいけないの?」
「隠し事はしたくない……とはいえ、それで愛想尽かされたとしてもお前ら二人は偽装を含めて二回結婚したんだ。体裁あるから嫌でも逃げられないだろ…だから、逃げたきゃ俺を殺すしかないけど」
「「話が飛躍しすぎだよ…」」
両サイドからのツッコミ…でも、事実なんだが。それくらいしか解放するには方法無い…まあ、そこまで思い詰めさせたならアン連れて行方くらますけど。マリアやシルディは未成年ながらも自活しているがアンはそうじゃない…と思い込みたい。
結局のところ、ちっぽけな男なのさ俺は…皆の人生を狂わせておきながら今更だけど。
「まあ、俺の秘密を知って愛想尽かされるならそれまでだ……とは思うんだが、全員で押し倒してくる未来しか見えないんだよなぁ…」
「そりゃそうだよ。あの子たちのアーくんに執着してるの分かるもん…それに、何だかんだ言って秘密なんて大した事じゃないんでしょ?」
「そうだな…ミリスベルを女として思えないよりは大した事ないな」
と言ったら、飲んでた酒ぶっかけられた……そういうとこやぞ。まあ、俺に問題があるのがいけないんだけども…
外伝なんて見るんじゃなかった。まあ、今から外伝を存在させるのは不可能なんだけどもな。おそらく…




