百七十六話 やらかし結婚編111
ぶーたれたミリスベル…いつもながらにめんどくせぇ。無駄に男見る目無いからそうなったんだろうがよ…
まあ、男運無いのは仕方ない…弟もあんなだったわけだし。むしろ、政治的にも期待されてなかったのはお察し。アスラーンが許嫁というわけでもなし、王家の女は意外と自由恋愛なのよ。
その結果が今である。案外、マリアも寝取り属性持ちだから姉の恋心を……やめよう。ぶーたれマリアはミリスベルの比じゃない。七月の誕生日のダンスだけで大変なのに…
そんなこんなで、墓参りを終えた俺たちは歩いて貴族学園までやってきた。挨拶である……なお、二人は俺の監視兼あわよくばレシアを学園に入学させられないかと未だに目論んでいる。本人が断固拒否しているにも関わらず…どうしようもない元養父母立候補者たちである。
本来なら部外者以外は立ち入るにも色々と手続きとか要りそうだが、卒業生のミリスベルとリテラは不要。更には大公爵の俺も不要と門番してる守衛に通された……それでいいのか?
ザルな警備で保護者としては不安…というか、入ってきた時から不審者なので学生たちにチラチラ見られてる。お巡りさん、私もです(何がだよ)
「すっごい居心地悪いし……文化祭の時はそうでもなかったのに。やっぱりミュゼット効果か」
「アーくん、ミュゼットちゃん効果って何…」
「アレクくんが新しいお嫁さん探しに来たって思ってるんだよ、きっと」
ミリスベルは分かってない。ミュゼット効果はミュゼットが可愛いからである(兄バカ)
更にリテラがとんでもない事を言う…ここは婚活相談所か。いや、だいたい乙女ゲームの学園なんてそんなものだったわ…なお、騎士学校はそんな雰囲気無かった(ロリコンナイト引取先無かった)
まあ、妹嫁たちは俺一筋のヤンデレ気質だから避けられてただろうし、元噛ませ嫁たちも似たようなもの。寝取る程のアホは居ない…今のところ。
それもこれも裏も表も牛耳っていたバナナ組組長…もとい元生徒会長の手腕が大きい。なお、どうせ生徒に紛れて潜入してるバナナ組員も居る。じゃないと堂々と校内にバナナの木植えるわけない。
そんな事はどうでもいい。学園長への挨拶である……まあ、騎士団長就任した際に挨拶はしてる。その時は同格の侯爵同士だったわけだが…今は大公爵のワイ。本来なら呼びつけてもいい立場。そんなだから切り裂き公爵が出るねん。
*
挨拶云々は滞りなく済んだ。もっとも
、貴族学園の教師が貴族令嬢かつ大公爵夫人をどうこう出来るわけない。攻略キャラクターに男性教師が居なかった時点でお察しである(2以降は知らん)
まあ、イジメ駄目、絶対やった奴処すとルチルの教育が行き届いている内は大丈夫だろう。マリアやシルディ、アンが入ってくる時には再度念押ししよう……
後、何故か近々講演会して欲しいと頼まれた。あの礼拝の場に居たそうな。学園長が金髪ツインテールで魔法使いロリであったら見逃さなかったがおっさんの有無なぞどうでもいい。
せっかくだから、せっかくグルメ。学園の学食でお昼ご飯である。フルコースとか出てくるんだろ、豪華ランチなんだろ…と思っていた時期が私にもありました。なお、原作では貧乏ミュゼットが学食で食う描写なんてあるわけなかった。
「……定食屋か何かか、ここは?」
「アーくんが騎士学校で定食屋みたいな事したから真似っこしたんだよ。昔は、きちんとフルコースとかも出てたんだよ…」
「ミリスベル様が率先して行ったんじゃないですか…アレクくんのご飯が食べたいって駄々こねて」
拗らせ嫁の究極系だったわ、ミリスベル…そういえば、酒場でやたらとチャーハン食わせてた。まかないより賄ってた。半チャンラーメンとか頼んでる時点で、もう…
そう思いつつ、俺はチーズ親子丼を頼んでリテラはナポリタンを頼んだ…頼まなきゃ良かった。半熟トロトロの親子丼なんて無かった。卵カッチカチやぞ(貴族の子が食中毒にならないよう当然の処置)




