表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
175/296

百七十五話 やらかし結婚編110

貴族の墓地へは正直あまり来たくない…騎士団員が今日も埋められているはず。表向きは自宅での階段落ちとかの事故死だが深くは考えまい…


葬儀とかに騎士団長が出なくていいのかって? 殉職ならまだしも、名誉無き死に出るほど暇じゃない。むしろ、今の騎士団名誉無いし…


と、そんな事はさておき。墓地の一角…墓はあれど墓碑に名が刻まれてない訳ありの区画。犯罪者とまではいかないけれど、(おおやけ)に出来ない不名誉な死に方をしたロクでなしたちの眠る区画である……


そんな誰も墓参りしてくれないような一角に親友…だったと思い込みたい男の墓があった。



「…名前、刻んでるな」


「当然だよ…そうしないとリテラちゃんの名誉回復にならなかったわけだし」


「まあ、そうだな」



アスラーン・ヤーマンの名が刻まれている墓碑……ミリスベルが名誉回復と言った通り、世間一般には男娼通いをして間抜けにも殺されたリテラの墓と少し前まで思われていたから仕方ない。そんな話すら俺聞いた事無かったけれど。


正直なところ、どれほど名誉毀損してどれだけ回復したのかは俺分からない……それでいいのか。いいのだと本人は言う…



「アレクくんが知ったら、ここにお墓がどれだけ増えるか想像したくもないよ…」


「世の中には墓を用立たれる遺体が必ずしもあるとは限らない死に方だってあるんだぞ?」


「アーくん、笑えない冗談だよ…」



冗談で言える事じゃないねん。共同墓地とか納骨堂とかでもいいのよ…土葬メインだけど、この国。俺なら、木刀で遺体すら残らないように凝る(・・・)事も出来る…


まあ、そんな事はさておき。わざわざせっかく仕方なく買ってきた花束を墓前に手向ける。酒とかぶっかけてもいいのだが、そんな戦場を駆け抜けた仲でもなし。墓石痛む行為だしやらない…



「アレクくん…ありがとうね。でも、どうして百合の花だったの?」


「他意は無い。ただ花屋で目についただけだ」


「本当かなぁ…」



ミリスベルが疑っているが、決してアスラーンだからとか、婚約者と妹がレズってたとか、義弟になるはずの王子が首落ちたからとか、お前が純潔じゃなかったからこうなったんだぞとか、花粉で汚れろこの色物野郎って悪意以外の他意は無い。


というか、嫁たちより先に花束贈るのが浮気野郎とか末代までの恥だわ。まあ、ミュゼットとメルにはよく野花をお土産にしてたけど…



「…本当に、情けない奴だよな。人に酒飲みの世話押し付けておいて、その間自分は恥をかかないようにとかって頻繁に性教育の実習って体裁の浮気だろ。挙げ句の果てには殺されて妹の人生狂わせた……俺が言えた立場じゃないけど、最低だわ」


「本当だよ……アーくん最低だよ」


「……でも、ぼくはこうなって良かったんじゃないかなって思うよ。アレクくんを見てたら、兄さんはミリスベル様を本当に愛せたのかって思うし」



愛の多い男、アレクくんだす…まあ、アスラーンが男として自信つけたかった気持ちは分からなくもないが分かりたくもない。病気貰って愛する人に移す危険とか考えない時点でもう…


それに外伝でも金髪の両親から黒系の髪の子が生まれるのである。俺紺色、王家縁者の各公爵家だいたい水色系……つまり、ミリスベルには寝取られ属性ある?



「そうだな。ミリスベルは寝取られ属性ありそうだから俺も用心しておかないと」


「アーくん……何言ってるの?」



ミリスベルの目が笑ってない。でも、事実じゃん。アスラーンから俺に心変わりしてたって暴露してたやん。


だから、アスラーンも先に寝取られ体験させてミリスベルの脳破壊しようとしたが、あぼーんしたんだろうなぁ…


そもそも、王子派も俺を狙わない時点で生温い事してるわー………今思えば、バイト後何回か変質者集団に絡まれた記憶があるような無いような。何なら、バナナ組の中にそいつらに似たのも居たような……まあいいや。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ