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百六十二話 やらかし結婚編97

「これは、少し前に起きた実際の話だ……」



ラティーの時間稼ぎ…という惚気に満ちた俺の紹介に観衆が辟易してきた頃、俺は話し出す。


一人の虐げられた少女と鬼畜の話……傷付き、悩み、苦しみながらも前を向いて生きる望みを捨てなかった最愛の一人。


綺麗事では済まされない。だが、知っておいて欲しいのである……その少女の強さを。覚悟を…


それを悪く言う奴は守るべき者でもぶっ飛ばす。嫁を除く…嫁は床で分からせるのである(ゲスゲスゲス)




「先程の話……シルディナ様の事ですよね?」



教訓とか何にも伝えられなかった…即興の話の才能無い俺。分かってた…俺の話聞かせると騎士たちだいたい寝るもん(殺気で失神ともいう)


教会帰り…ではなく、執事服を借りにフィネット家に向かう馬車の中、ミスティア嬢がそう尋ねてきた。俺と二人っきりなのに、横に座ってくれなかった…ぐっすん。


名前は出してないけど、分かる人には分かる話……悪しき父親に虐げられ、殺人鬼の子として世間の一部から見られているシルディ。


守秘義務とかプライバシーとかあるので話せる範囲での伝え方しか出来なかったが、世間に公表した事によって「知らない方が悪い。俺が法だ、嫁守る為なら出禁になってもぶっ飛ばす」と言ったようなものである。



「…まあ、後で怒られるかもしれないけど、言わなきゃいけないと思ったからな。体も心も沢山傷つけられたのに、知らない奴から」


「……その時は一緒に怒られましょう。そもそも、殿下が悪いのですから…シルディナ様も、あの方に人生を狂わされた一人ですから」


「…そういえば、そうだな」



全部バカ王子が悪い。それで割り切ろう…なお、アレクのロクでもない説法の次回があるならミリスベルとリテラの話をしようと思う。嫁たちの地位向上は大切…


それはさておき、目の前にいるダメ嫁も自分が選ばれずシルディが妃として選ばれていたらとか考えているのが明け透けなのである。でないと「一緒に怒られましょう」なんて言わないのよ。後、ラティーは怒られるべき。


選ぶのは男の特権とかおかしいですやん……あ、一応王家だったわ。俺も選ばれた側だったわ。王家の強制力酷い(お前が言うな)



「だからって、怒られるのは俺とラティーだけで良いんだぞ。ミスティア嬢はもうエルヴァカとは何の関係もない俺の大事な嫁なんだから……背負わなくていいもの、いつまでも背負わなくていいんだからな」


「……そう言う旦那様は、色々と背負い過ぎですけどね」


「いいんだよ俺は……背負いたくて背負ってるものの方が多いんだし。家族の事なら喜んで背負う…それが俺だ」


「そうですね……そんな旦那様だから安心して嫁げたのです」



油ぎったおっさんよりマシって言われてる気もしなくない…ちょっと油もの控えよう(被害妄想)


安心してくれているなら構わないんだけど……なら、どうして初恋で悩むよ。女心が分からないアレクくんである。まあ、分からないから押し倒し失敗したのだけれど…


やはり、お茶会はその辺も聞き耳立てなきゃならない。俺の悪いところ多々あるけど、残念ながらそれが良いって嫁もいるわけで……改善はする。だが限度ある。


まあ、そこら辺はお説教されながらである…甘やかす為なら俺の信念以外は曲げる。ATMと嘲笑うが良いさ……ATMなんて科学の進歩まだ遥か彼方だけども。


………そういえば、ミュゼットたち鍛えたら魔法とか使えるんだろうか。モブの俺が使えるくらいなわけだし…今度やらせてみようと思う。どうせ無駄だけど。

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