表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
160/296

百六十話 やらかし結婚編95

何か、急に重い話になった。信じるも何も、疑って結婚なんて出来ない……俺、そこまでお人好しじゃない。ウソ告とか嫌い。でも、そんな事を見抜かなかったら俺は自分が悪いと思う。


ミスティア嬢は、俺に呆れてはいると思う。けど、それでも慕っていると言うのだ。それを信じずして、何が旦那か。


「勿論、信じてるに決まってるだろ……それとも、何か。俺って信用されてない?」


「そんなつもりは……ただ、怖くなってしまったんです。本当に愛してもらえる価値が私にあるのかと…」



価値…俺の愛はプライスレスよ。でも、向こうは公爵令嬢……安物の菓子とかアクセサリーでは満足してくれてないのね。まだ贈り物が足りなかったか…


したらば、とりあえずは態度で示しましょう。ほら、皆で押し倒そ(幸せなら)


幸い、ベッドはここにあるわけですし。つまり、家族作ろうよ。



「ごめんな……怖かったよな。こんな情けない俺が夫で」


「だ、旦那様っ!?」



俺はミスティア嬢に飛びつくよう抱き締めて、頭を撫でる。不安にさせた俺が悪いのよ。順番待ちしている間に不安になるよな…自分はきちんと愛されるのかって。



「家じゃないけど、ここで俺の愛情たっぷりと感じてもらうからな……覚悟しとけ」


「旦那様、待ってください……そういうつもりはありますけど、話を聞いてくださいっ」



押し倒したら、枕の下にあったナイフで軽く頭殴られた。鞘に入ってたけど、無駄な装飾で流血した…さすが公爵令嬢。多少の自衛力はあるのね……ガクッ(石頭だから気絶してない)




シーツが軽く血に染まった。俺の…額に三日月入ってないよな。キボウノハナー無いよな?


流血に混乱したミスティア嬢…まだチューしてないから嬢呼び継続。まあ、元婚約者は使っていたベッドでしたくなんてないか。倫理観欠如してた俺が悪い……間男ムーブしようとしたアレクくんが悪い(でも反省しない)



「……というわけで。これが今朝がた見た夢の内容と探し物をしていた理由です」


「なるほど……悪夢の原因はバカ王子か。死んでも夢枕に立つとか。ラティーにお祓いしてもらおうな」


「それは軽くしてもらいましたけど……この後、礼拝に行って改めてしてもらいます」



夢にエルヴァカが出てきて、昔渡したハンカチの事を伝えて、「まだ好きなら俺の事を甦らせてくれ」と宣った……わけではなく、渡した当時の事を思い出したと。忌まわしき過去…ソロもんの呪い(故人)


きっとそれが初恋だった…そう気が付いたミスティア嬢。だが、その初恋はもう潰えた……バカ王子の死より先に。さすがに複数プレイは無理と。


そんな過去との決別……以前に、初恋の相手が俺でなかった事に、ある種の失望を覚えてしまい情緒不安定。せめて、あのハンカチを処分して忘れようとして見つからないし、俺に見つかるし…



「気持ちは嬉しいが…別に初恋を否定するつもりは無いから安心してくれ。むしろ、それだけ真剣だったんだろ…でないと、次期王妃、国母として頑張ろうなんてしてないだろうし、今のミスティア嬢は居ないと思う」


「……それでも、嫌ですよね。男の人は…何事も最初がいいと聞きました」


「恋心まではさすがになぁ…多少嫉妬はするけど。それに、恋心以外は俺が最初になるんだろ?」


「勿論です…口付けもその先も旦那様以外は望みません。もし穢されていたのなら私は修道院に行っていたか喜んで毒杯を賜っていました」



愛が重い…初恋のままでいなくて良かった。今後がちょっと心配。誠実過ぎて怖い。


後、ハンカチって贈り物として相応しいのかなと……シルディも前に言ってたわけだし。よし、これから騎士団去る奴に率先して贈ってやろうと思う。ゲスゲスゲス…

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ