百四十話 やらかし結婚編75
とりあえず、癒した。どっちもシェリもである。その間も、アンが冷たい目で見てきてた…シェリが「兄さんのあほぉ」と繰り返し言ってたから仕方ない。メッとは言われなかっただけマシ。
アンと食堂に戻ると、ご飯が出来ていた。昨日の残りの肉じゃがと豆乳を使ったグラタン。レミルーファ嬢、メルとアンに教えてもらってそんなの作れるまでレベル上がっている…解せぬ気もしなくはない。
まあ、シェリが作り方を書いてたんだろうけども。さすが独り暮らしの達人。それでも豆乳余っているのでバナナ豆乳もあるよ……後、おからパックで嫁たちの顔はスベスベだったよ。元からだけど…
パック後のおからは師匠喜んで食べてたそうな。きっと「おなごのエキスたっぷりの餌じゃあ、至高じゃあ」とか思ってるんだろう…飼い主に似て。騸馬だから許す。残してたら俺が食う(馬並み思考)
「どうでござるか?」
「美味しいよ?」
「元が美味しかったのに、不味く作ったら怒るわよ」
グラタンの味を聞いてくるレミルーファ嬢。肉じゃがアレンジとは思えないくらい美味しいのだがレシアは辛辣だなぁ……レミルーファ嬢だって頑張ったんだから、そこは褒めないと。豆乳に入れた味噌がミソだわ、これ。今度真似しよう。煮物に味噌は良い。
さて、美味しい朝飯食べ終えたら今日も仕事だ……運動しなきゃいけないと思うわけですよ。朝からチーズものたっぷり食ったわけですし。
だから、「ねぇ、馬車使うの止めてランニングして行かない」と言ったのだが、大反対された。運動しようよ。警備なら大丈夫だ、俺が送る……え、ドレスで走るのは無理。確かに…
だが、運動しなきゃいけないのは事実。太っても良い、けど書類仕事ばかりしていたら足腰悪くなる。目も悪くなる。肩も凝る。
「小兄様、ラジオ体操でいいんじゃないですか?」
「……ミュゼットや、ラジオさんの体操ってなんぞ?(ラジオ無いからな)」
「………聞き齧っただけですのでよく分かりませんわ(そうでしたわね)」
ミュゼットがキスの影響でポンコツ化してるのである。うっかり前世とかバラしそうで怖いなぁ……バレたところで困らないとは思うけど。口々に「ラジオさんって誰」と聞いてくるが知らん。裸族のじーさんおっさんの略だろ(超適当)
けど、体操は必要である。「よし、今日から騎士団では朝の体操を導入しよう」と言ったらレシアに睨まれた。指差呼称とか必要だと思うのだが、ヨシ…朝礼で持ち物確認が始まる事は確定した(めちゃくちゃ今更)
*
騎士団朝礼にて、持ち物確認したら色々と持ってない。飴ちゃんとかなら個人の采配だから構わないか、マント忘れてたり騎士証(胸元に着けるバッチみたいなばっちいもん)着けてなかったり、特に武器類の不携帯が圧倒的に多い。
酷い上司に木刀で壊されたんだってさ。そんな脆弱な武器持つなよ。木刀如きで壊れる武器買うなよ。なんか前にも同じ事やったなぁ…とりあえず安物でも買っとけ。デッキブラシとかさ。
というわけで、貧乏騎士たちに贈る木刀作りが今日の仕事である。つまり量産型ぴょんぴょん丸の配布……なお、レシアとルチルが結託して全騎士団員を呼び出す事に躍起なので執務室追い出されたとも言う。セリーヌ居ないと抑え効かない暴走状態よ。まあ、セリーヌ休みだから仕方ない。
まあ、俺もたまには書類仕事から解放されないと病むわな…………『俺を病ませる為に下手な書類作ってきている疑惑発生。至急バナナ組への調査依頼求む』っと。
片手間でルチルへの手紙書きつつ、木材から木刀を削り出す。何本要るかな…とりあえず三百くらいあれば良いかな。そんなに人数居たっけな…まあ、孤児院から従士の子が来れば要るか。二刀流になるならもっと要るか。槍とか弓矢とかも要るか。もっと材木仕入れとこう。




