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百三十四話 やらかし結婚編69

今日はレシアお休みの日……つまり、書類仕事に忙殺される日である。なお、王城も人手が足りない模様。まあ人手不足はいつの世も常である。


出勤後、一人で頑張る俺。今日はルチルもセリーヌも手伝ってくれない。どうやら来月の結婚式に向けて警備体制を考えていかなきゃいけないので忙しいようである。そんな事より余興やりたいって騎士居ないのか…居ないよなぁ…


まあ、事件起こさないだけマシと思おう。前世でもよくあるような暴行、横領などは今のところ無い。俺によるパワハラ除く。とはいえ、一度は元上司が薬物組織形成してたのもあるし、チンパンジーの件もあって落ちるところまで落ちてる騎士団の信頼。


むしろ、俺や一部の騎士団員のみに対して好意的な都民……具体的にはセリーヌやレシアら。ルチルは今のところ貴族学園前生徒会長の肩書きあるからマシくらい。他はお察し…


若いのは基本的に俺の悪行三昧聞いて知って見ているからまだいいのよ。殴れば分かる……さすがに女騎士はセリーヌとかがやってるけど。


問題は毎度お馴染み、どーしようもないおっちゃんおばちゃんである。平均寿命が六十そこそこ…四十路過ぎたら引退して領地に引っ込む事を考えるこの職。


女性に至っては結婚して離職は当然、何なら出産後に命落とす可能性高い医療未発達な世界では復帰なんて夢のまた夢。肉体労働の極地……というのが定番。いや、俺は産休育休介護休暇などなど充実させていくよ。男女雇用機会均等は社会に必要。


とはいえ、雇用機会を均等にしても肉体労働してれば良いなんて考えの連中を雇用し続けるのはまた別の話。見回り毎日して捕まえて締め上げれば万事解決ではない。犯罪予防、防犯対策、その他諸々をやらないと犯罪なんて減りはしない。


そこら辺すら理解してないのが一定数居る。極端に言えば、炊き出しとか寄付とかケチってる。慈善事業何それ、犯罪無くなったら騎士不要になって収入源減るやん。犯罪あるから生きていけるんだって感じの考え。抑止力ではなく制圧力としての騎士って古い考え。


他所の貴族とやり合う前に王都の周辺には四公、現三公と一侯の領地あるから身内の裏切りでもない限り王宮騎士団の活躍しそうな内乱とかは起こりにくい。とはいえ、その存在は不可欠。つまり、驕っているのである。ならば、その怠惰を評価しなければならない。つまりは…



「ここに新たなる制度『人事評価』の導入を宣言します」


「兄さん、何やっとるんや……」


「議長ごっこ」



デスティニーなんとかではなく、単なる肩叩きの下準備。弁当を持ってきたシェリチェ嬢に説明するが、「そんな事すら今までやってなかったんかい」としか言われなかった。しなかったのは君の父上たちなんだが?


本当なら、前騎士団長らがまともに仕事してたのか監査したいさ。その手が足りないだけで…何なら、シェリチェ嬢がやってくれていいのよ。就職後は俺直属の事務方に据えるつもりだし。



「いや、ウチ普通に騎士目指しとるんやけど。何が悲しくて前世と同じような事せなあかんねん」


「俺だって出来るなら一騎士として平々凡々な生活したかったさ……前世活かせるなら今からでもクリスのところの営業に転職したいわ」


「大公爵が営業マンとか押し売りより怖いやろ」



それもそうだ。絶対買わせる自信あるのに爵位で強制したとか思われても嫌だ。王都の地図は絶対売れる。観光マップは必要…何なら、そっちの職を主としたい。


まあ、そんな事したら騎士団立ち行かなくなるけど……残念ながら、今の騎士団支えてるの俺やレシアたちなわけですよ。後進の育成とか全然出来てない。ルチルとセリーヌなら引き継いでくれるだろうが激務を嫁に強いたくない。



「いいか、俺はあくまでもモブキャラのアレクシール・カノーラだ。モブが花形の騎士団長なんて続けられるはずないんだ」


「……兄さん。残念やけどモブなんてこの世には一人としておらんのんやで。前世持っとるからってキャラとして自分を蔑むなや。ウチらにも失礼やで」


「……まあ、分かってるんだけどな。だからこそ怖いって事もあるだろ?」

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