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十三話 やらかし18歳・新米騎士編①

王宮騎士団第六分隊に配属されたが、新人研修半年間…所謂、見習い期間だよ。使い捨て期間ともいう。まあ、そんなのに屈する俺じゃないけど…長期休み無しとか辛い。


見習いでも王宮騎士になったとはいえ、さすがに木刀のままでは見栄えが悪いと先輩たちに言われた。いっぱい魔物の血を吸ってきた俺の愛刀・ぴょんぴょん丸全否定…いや、今名前付けたけど。


まあ、俺だってサーベルとかシミターとか欲しいわけよ。無いのよ……さすが乙女ゲーム。剣の種類とかどうでもいい世界。これが日本刀なら多かったのかもしれない…闘犬的な。


仕方ない。鍛冶屋に頼もう…オーダーメイドだ。命名は勿論「バーサル騎士鈴木の剣」だ…だっさい。後、文字数溢れてる。


もう、この際安い剣買おう。飾りでいい、銅の剣くらいの量産品でいい…個人的には鋼の剣がいいけど。破邪の方がもっと良いけど。


そう思って休日にお出かけなのよ。何処で買おうかなー……カメラとか無い無い。初めての買い物ちゃうし。


三年も住んでいれば王都の何処に何があるのかだいたい把握している。が、めくるめく変わるのが王都だ。昨日あった店が潰れ、新たな店が出来る。それを把握するのも騎士の仕事………と思っているのは俺だけだったりする。意識レベル低いのよ。王宮騎士団…王都守る気ナッシング。


と、そんな事を嘆いていると馬の嘶きが聞こえた。それも二頭分…嫌な予感がする。プリ◯スみたいに店に突っ込む事故もあるのだ、そしてそのまま逃げるのだ…まさに逃げ馬。いうてる場合かーい。


そこにたどり着くと、二頭立ての馬車とそこに群がる怪しげな集団…そして倒されている騎士たちと今、正に首を切り落とされそうになっている少女の姿があった。


アニメ第九話。その少女はヒロインとの茶会を終えて立ち上がった。その際、バランスを崩してヒロインに助けられる…そして、翳りのある顔で笑いながらこう言うのだ。



『生きてるだけで十分なんですよ−−−』



そう言って、左足を見せる。そこには、一本の棒があるだけ……賊に襲われて、殺されるところを抵抗して足一本で済んだと笑う少女。


王国の第四王女、マリアベル・フォン・アレモニア…


弱っちい近衛も、騎士団もクソ喰らえだ。ストーリー改変、上等じゃないか。この力、今使わずして何とする。


踏み込む、駆ける。己の全てを賭けて…届け、届け、届け、届けっ!


ただ一度でいい。最高の一撃を、最良の一撃を…神速抜刀、ただそれのみ。




終わってみれば、辺りは血溜まりだった。スケッチ星三つ…五体満足に生きてる犯人グループ的な意味で。


近衛は知らん。少女…マリアベル様だけ無事ならそれで良い。


本当にギリギリで間に合った。首も左足も傷一つ無い。不殺殺法、自由首斬りの型である。たかがメインカメラをやるだけである…キラキラシュパーン的なハイテンションで次から次へとぶっ倒した。悔いはない…これで騎士を追放されようとも、断罪されようとも。


合言葉は「もっと守りたかった、この笑顔」…ちょいキャラの少女に、そんな虚構になんて重いものを背負わせた。そんなクソ設定考えるなよ、作画担当。これが俺たちの共通認識だった。


でも、作画担当リョナ絵ばかり描くんよねー。性癖ぶっこまなきゃ本当神なのに…


まあ、それはさておき。少女を抱えて血溜まりの中で気絶した奴と死体の中に立つ男をどう思う……とっても犯罪者。


噂を聞きつけノコノコやってきた騎士たちに取り囲まれてドナドナされる事になったのは言うまでもない。


親父頼れないから、身元引き受け人ミリスベルに頼もう。それがいいとか考えるのであった。

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